猛烈な物価高と円安が続く中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著)だ。そしてついに待望の続編『THE WEALTH LADDER(ウェルス・ラダー)富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』も話題書となっている。スコット・ギャロウェイも強く推薦する『ウェルス・ラダー』について、今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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友人の笑顔が違って見える瞬間
資産が増えてから、昔と同じように友人と会っているだけなのに、
ふとした瞬間、自分の反応が前とは違うことに気づく。
何気ない一言が、以前より深読みしてしまうように聞こえる。
会計のときの一瞬の「間」や、「今度ごちそうしてよ」という冗談にも、妙に神経が尖る。
相手は変わっていない。
むしろ、変わったのは自分のほうなのだとわかってはいる。
それでも、どこか身構えてしまう。
大切な友人なのに、素直に笑えない瞬間が増える。
――こんな微妙な揺らぎに戸惑う人は、決して少なくない。
世界的ベストセラーが教えてくれること
話題の世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER(ウェルス・ラダー) 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。
資産が増えることによって生じるとりわけ難しい問題は、他人に対して猜疑心を抱いてしまうことだ。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.238)より
本書によると、富を手にすると、相手が自分そのものを見ているのか、富を見ているのか、その境目があいまいになるという。
相手の態度が変わっていなくても、言葉の裏に何か意図があるように感じてしまう。
一度疑いのスイッチが入ると、何気ない行動まで計算されたものに見えてしまい、気づかないうちに距離が開いていく。
しぶとい「猜疑心」とうまくつき合うには?
本書を読んで気づいたのは、
富によって生まれる相手への迷いをどう扱うかで、
心の負担は大きく変わるということだ。
「お金がなければ、誰も私に興味を持たないのでは?」
自分の中にそんな前提が少しでもあると、
相手のささいな言動まで疑わしく見えてしまう。
もちろん、注意深くなることは悪いことではないが、
疑いすぎれば、守りたいはずの関係すら壊してしまう。
大切なのは、富を持った自分をどう捉えるかという内側の感覚だ。
その感覚を持てるかどうかで、富を得た後の人間関係が左右される。
資産が増えれば、相手の動機が読みにくくなる場面はどうしても増える。
だからこそ、どこまで慎重になり、どこから相手を信じるのか。
その加減を自分で決めておく必要がある。
本書にあるレベル1からレベル6の「富の階段」を登るほど、孤独と不信のリスクは高まる。
疑いに振り回されず、自分の基準で人を信じられるか
――その姿勢が、人生を豊かなものにするかの分岐点になる。
本書は、単にお金を増やす方法だけではなく、
人生の岐路で迷わないために必要な考え方を示してくれる貴重な一冊だ。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)










