日経平均は史上最高値を更新したが、10月以降、食料品の値上げが相次ぎ、その数、3000品目超。実質賃金は8か月連続で減少した(厚労省「毎月勤労統計」)。
そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』がついに日本上陸。世界14ヵ国以上で翻訳されたベストセラーは、6つの資産レベルに分けた「富の階段」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦書」だ。スコット・ギャロウェイ(お金の「哲学書」として話題の『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊について、今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【今は裕福でも定年後ヤバい人ランキング】2位は「資産防衛に執着する人」、では意外すぎる1位は?Photo: Adobe Stock

富が増えると不安も増える矛盾

年収が上がった。資産も増えた。
数年前の自分から見れば、明らかに裕福になっている。

なのに、なぜか心は満たされない。
まわりを見渡せば、もっと稼いでいる人がいる。

「自分はまだ足りない」
「努力をやめた瞬間、取り残されるのではないか」
――富を得たら、そんな声が頭の中で鳴り響く人は、少なくないのかもしれない。

気づけば、誰に急かされるわけでもなく、自分で自分を追い立てている。

資産を守ることよりも、増やすことに意識が向く。
リスクを取ってでも、次の一手を打とうとする。

けれど、その先に待っているのは本当に安心なのだろうか。

世界的ベストセラーの教え

世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。

裕福になると、必要以上にさらなる富を追いかけようとしてしまいがちだ。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.262)より

すでに十分な資産があるのに、さらに富を追い求めてしまう。
その動機は、安心を得るためではなく、
満たされない何かを埋めるための行動になっている。

そして、その先に待っているのは、
時として取り返しのつかない損失だ。

本書によれば、裕福になったにもかかわらず、
さらなる富を追い求めた結果、
すべてを失った人は少なくないという。

問題は、富の額ではなく、富との向き合い方にあるのだ。

今は裕福でも定年後ヤバい人ランキング、
意外な第1位とは?

今は裕福でも定年後ヤバい人ランキングの第2位は、「資産を守ることに執着する人」。

資産が増えれば、それを失うことへの「恐怖」も大きくなる。
でも、守りに執着しすぎると、富を使う自由を失ってしまう。

そして、意外すぎる第1位は「さらに富を追いかけ続ける人」だ。
十分な資産があるにもかかわらず、「もっと」という欲望に突き動かされる。

その結果、リスクの高い投資に手を出し、すべてを失う人もいる。

本書を読んで気づいたのは、富を追いかけることをやめた瞬間に、
初めて富の意味が見えてくる
ということだ。

裕福になることは、ゴールではない。

重要なのは、「何のために富を築いたのか」を見失わないこと。
「いくら必要か」ではなく、「何のために使うか」を考えること。

富は手段であり、目的ではない
その視点を持ち続けられるかどうかが、これからの人生を大きく変えていくのだ。

(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)