「ぬい活って、ぬいぐるみを愛でることでしょ?」知ったかぶる人が気づかない〈深すぎる沼〉の魅力写真はイメージです Photo:PIXTA

ぬいぐるみを持ち歩き、写真を撮り、時には旅の相棒とする「ぬい活」。一見すると子ども向けにも思えるこの文化に、大人たちが引かれているのはなぜか。背景には、他者との関係に疲れやすい現代社会と、「評価されない存在」に癒やしを求める心理がある。企業も参入し始めた「ぬい活」は、単なる趣味を超えた新たな消費とケアのかたちを映し出している。(フリーライター 武藤弘樹)

一緒に旅行して写真を撮って…
着せる服は自分で作る

 近頃はぬいぐるみのことを「ぬい」と呼ぶのがトレンドというか、そういうカルチャーが発生している。ぬいぐるみが「ぬい」と呼ばれるとき、単なる一般名詞の略称を超えて、ぬいぐるみに対する親しみや愛、相棒に対する信頼感などがそこには込められている。「ぬい活」というカルチャーが存在しているのである。

「ぬい活」を辞書的に説明するならば「ぬいぐるみにまつわる活動全般」くらいになるだろうか。字面はなんとも味気ないが、その「活動全般」の内容とそこから得られるものはとても情緒的である。

 ただし、「ぬいぐるみを愛でる」といった漠然としたものを指すのではなく(むしろ愛でるのは大前提)、ぬいぐるみの服や小物を自作したり、ぬいぐるみをカフェに連れていったり、といった具体的な活動がそれに当たる。

 ぬいぐるみをお供に旅をする「ぬい旅」やぬいぐるみの写真を撮る「ぬい撮り」はぬい活の一環だが、InstagramやXなどのSNSでハッシュタグがそれぞれ存在するほどの独立したトレンドである。