日経平均は史上最高値を更新したが、10月以降、食料品の値上げが相次ぎ、その数、3000品目超。実質賃金は8か月連続で減少した(厚労省「毎月勤労統計」)。
そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦術書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』がついに日本上陸。世界14ヵ国以上で翻訳されたベストセラーは、6つの資産レベルに分けた「富の階段」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦略書」だ。スコット・ギャロウェイ(お金の「哲学書」として話題の『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊について、今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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多くの人が定年後に直面する大問題
定年退職の日を迎えた瞬間、心は晴れやかだった。
もう満員電車に揺られなくていい。
嫌な上司に気を使わなくていい。
日々の数字のプレッシャーから解放される。
「これからは好きなことができる!」
そう思っていた。
でも、いざ自由の身になってみると、何をしていいのかさっぱりわからない。
気づけば一日中テレビを見て、スマホをいじり、なんとなく時間が過ぎていく。
自由な時間を手に入れたはずなのに、心はまったく満たされない。
仕事中心の人生を生きてきた人ほど、退職後のショックは大きい。
それまでの生活の軸が消え、何をすればいいのか見失ってしまうのだ。
世界的ベストセラーの教え
14か国以上で翻訳されている世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。
時間的な富は多ければ多いほど良いというものではない。
いつでも好きなことができるのは一見すると魅力的に思えるかもしれないが、自分の時間をどう使いたいかわからなければ、生きる目的を見失う危機につながる可能性がある。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.340)より
多くの人は、「もっと時間があれば、いろんなことができるのに」と思いながら、忙しい日々を過ごしている。
でも、実際に時間が増えたとしても、それだけでは幸せにはなれない。
大切なのは、その時間を何に使うかだ。
誰と過ごすか、どう生きるか。
時間の使い方こそが、人生の豊かさそのものだと本書は教えてくれる。
「定年後に虚無感だらけの人」の特徴
無目的な自由時間は、人を不安にさせる。
「時間をどう使いたいか」が明確でなければ、どれだけ自由があっても虚無感は消えない。
本書を読んで気づいたのは、時間的な豊かさとは量ではなく質の問題だということ。
この世で唯一、増やすことができない富。
それが時間である。
だからこそ、働いている今から、自分の時間をどう使いたいのかを考えておくことが大切だ。
そして、それを実現するには、経済的な基盤も欠かせない。
本書は、単なる資産形成の話ではなく、
時間や健康、人間関係、精神性を含めた豊かさを手に入れるための道筋も示してくれる。
お金だけでは幸せになれないが、お金がなければ選択肢も狭まる。
自由な時間を手に入れたとき、虚無感ではなく充実感を得られる人生。
それは、時間とお金、両方の富をバランスよく築いた先にあるのだと思う。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)










