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経営者は、さまざまな人と関わることになります。良い人もいれば、中には不利益をもたらしかねない危険な人もいます。優秀な経営者は、どのように「信用できる人」を見極めているのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
ある経営者が決めている
関係を壊さないための「線引き」とは?
経営者は、日々さまざまな人と出会います。
その中には、こちらの信頼に応えようと真摯に努力してくれる人もいれば、親しげな態度とは裏腹に、自分の利益しか考えていない人もいます。表では愛想良く振る舞いながら、裏では計算ずくで動く人も少なくありません。
小宮一慶小宮コンサルタンツ代表
私自身も、過去にそうした人に出会ったことがあります。
顧客企業に中途入社した部長で、一見とても真面目そうな人物でした。ところが裏の顔は詐欺師で、その会社の社長と会長がだまされ、会社の金を取られてしまったのです。人情に厚い社長は、その部長から「家族が病気でお金が必要だ」と頼まれて、個人的にも大金を貸してしまいました。
この出来事を通して感じたことは、人を思いやることと、全てを信じることとは別だということです。
優秀な経営者は、人を感情だけで判断しません。人を疑いすぎれば本当に親しい関係性はできませんが、信じすぎても傷つく。その中間にある適度な距離感を保つことこそが、経営者の知恵なのです。
例えば、ある社長はたとえ親友でも「金を貸してくれと頼まれたら、50万円までは貸すが、それ以上は絶対に貸さない」と決めているそうです。情に流されず、関係を壊さないための線引きです。
信用とは感情だけで成り立つものではなく、節度と判断の上に築かれるもの。優秀な経営者ほど、こうした「線引き」を持っています。
では、優秀な経営者は、どんな人を信用しないのか。







