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忙しい日々を送っているリーダーは、目の前の課題に対処することで手いっぱいになりがちです。しかし、公私ともに中長期を見据えることもリーダーにとって大事な仕事です。目の前の仕事ばかりになる人と、中長期を考えられる人――その違いはどこにあるのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)

忙しい日々の中で
中長期を考えて動くには

 経営の現場では、売り上げの問題、人事の課題、商品開発の停滞など、次々と課題が押し寄せます。これに対処するのは、リーダーとして当然の役割です。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 ただ同時に、組織や会社の将来を考え、中長期の方向を示すことも欠かせません。また、目の前のことが忙しいと、プライベートのこともなおざりにされがちですが、もちろんプライベートでも中長期的な視点が必要です。

 短期と中長期の両方を見据えて、どう動くべきか。リーダーは、常にその問いを突きつけられているのです。

 まず大前提は、目の前の課題にしっかり向き合うことです。

 現場の問題を放置したまま5年先、10年先の構想を語っても、組織は前に進みません。経営者であれ管理職であれ、まず足元の問題を片づけることが出発点です。

 短期的な課題を一つずつ解決する。その積み重ねが現場を安定させます。そして、その安定があってこそ、未来を描く余裕が生まれるのです。

 とはいえ、立場が上がるほど「中長期を考えるのは自分の仕事だ」という自覚が欠かせません。