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人手不足の昨今、一度辞めた会社に「出戻る」というケースが増えています。出戻り社員が活躍できる会社とはどんな会社なのか、考えてみましょう。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)

辞めた社員が戻ってくる会社は
良い会社である

 人手不足が深刻化する中、「出戻り社員」を歓迎する企業が増えています。かつて退職した社員を再び迎え入れることで、人材を確保し、経験豊かな戦力を取り戻せるからです。

 一方で「一度辞めた人間を本当に受け入れてよいのか」「残った社員はどう感じるのか」といった懸念から、抵抗を示す経営者もいます。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 しかし、私はこう考えます。辞めた社員が戻ってくる会社は、良い会社である、と。

 辞めた理由は人それぞれでしょう。待遇改善を求めた人もいれば、上司との不和、人間関係の悩み、あるいは顧客対応による精神的負担があった人もいます。それでも「やはり元の会社に戻りたい」と感じるのは、その会社に「働きがい」を感じたからです。

 実際、私が知る優良企業の中には、一度辞めた人が戻り、今では社長を務めている例もあります。また、別の会社では、出戻った社員の子どもが入社したというケースがありました。親が安心して子を託せる会社でなければ、こんなことは起こりません。

 その会社では、この4~5年で5人ほどが戻ってきたといいます。出戻りが続くということは、離職率も低く、人材が再び集まってくるほど寛容性があり、働きがいも高い証しでもあるのです。