米政府の制裁を受けて、ロシアがセルビアの主要石油会社の株式売却を迫られている。ロシアは長年のパートナー国であるセルビアを通じてバルカン半島で影響力を行使してきたが、それが弱まることになる。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した米政府の公式文書によれば、アラブ首長国連邦(UAE)に本拠を置くアブダビ国営石油会社(ADNOC)は、ロシアが保有するエネルギー大手NISの株式取得で交渉している。セルビア唯一の石油輸入業者で、国内精製業者でもあるNISの株式取得は、破談となる可能性もある。トランプ政権はウクライナ戦争を終わらせるためにロシアへの圧力を強めており、先月にはNISを標的とした制裁を実施していた。NISは米ドルを使用できないため、石油の輸入を停止し、精製所はほとんど稼働を停止している。