むくみ、疲れ、だるさ、痛み――。
その不調、“毒”=老廃物が流れずにたまっているサインかもしれません。
この“流れ”を取り戻すメソッドをまとめたのが、矢上真理恵さんの新刊『すっきり自力整体』
整体や鍼灸の技法をもとに、自分で体を整えるセルフケア法「自力整体」は、全国で約1万5000人が実践する人気のメソッドです。
「ぐっすり眠れた!」「慢性痛がラクに」「朝の目覚めが変わった!」――。
そんな声が続々と届いています。
今回は新刊の中から、“腸の流れ”を回復させる「腸活ワーク」をピックアップ。
まずは、あなたの体を“ためる体”にしてしまう【3つのワースト習慣】をチェックしましょう。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

「“毒”をためこみやすい人」に共通する3つのワースト習慣【整体プロが教える1分腸活ワーク】

“ためる体”はこうしてつくられる

「食事も運動も気をつけているのに、体が重い…」
「むくみやすくて、足腰も痛い…」

 そんな人ほど、“毒出し”の通り道が詰まっている可能性があります。

 東洋医学では、不調の根本に――

 ・体のゆがみ
 ・流れの滞り
 ・老廃物の蓄積

 があると考えます。

 とくに現代人に多いのが、「生活習慣のクセ」が原因の老廃物の滞り

 じつはその“クセ”こそ、次の3つの習慣に現れています。

【ワースト習慣①】背中を丸めた姿勢

 スマホをのぞきこむ背中、丸まっていませんか?

 この「猫背姿勢」は、骨盤を後ろに傾け、腸をギュッと圧迫。
 すると腸の動きが鈍り、排出が滞ります。

 便秘が続くと、老廃物が血液に再吸収され、肌荒れ、腰痛、坐骨神経痛、冷え、さらには「瘀血(おけつ)」や「水毒(すいどく)」を悪化させる原因にも。

【ワースト習慣②】浅い呼吸

 ストレスや集中作業で呼吸が浅くなると、肺に古い空気(二酸化炭素)が残り、体は“軽い酸欠状態”に。

 酸素が足りないと血流が悪くなり、自律神経が乱れ、疲労・イライラ・不眠の悪循環に陥ります。

 呼吸は、体の「ポンプ」
 深く吸って、しっかり吐くことが、全身の“流れ”を作る第一歩です。

【ワースト習慣③】座りっぱなし

 座りすぎは「第二の喫煙」とも言われます。

 長時間動かないことで、血液・リンパ・腸の蠕動(ぜんどう)がストップ。
 下半身の流れが滞り、むくみ、冷え、肩コリ、足腰の痛み、頭痛、婦人科系トラブルなどが起こりやすくなります。

 現代人の体は、「動かないこと」でゆっくりと老廃物をためる設計になってしまっているのです。

 30分に1回、立ち上がって“伸び”を。筋肉が動けば、血もリンパも流れます。

“滞り”をリセットする「腸ほぐし」のワーク

 以上のように老廃物をためる人には「姿勢」「呼吸」「動かない」の共通点があります。
 それは、どれも“流れ”を止めてしまう生活のクセ。

 今日から、1日数分でも体をゆるめてみてください。

 そこでおすすめは、『すっきり自力整体』でも紹介している「腸ほぐし」ワーク

 体の中でも老廃物が溜まりやすい「鼠径部(そけいぶ)」を伸ばし、体をゆるめて詰まった流れを一気に解放します。

 腸の蠕動運動を活発にするので、朝おこなうと排便が促され、お腹も心もすっきり軽やかに。
 朝イチでたった1分。“流れスイッチ”を習慣にしましょう。

 実践は、下の画像を参考におこなってみましょう(※画像は書籍『すっきり自力整体』より抜粋)。

「“毒”をためこみやすい人」に共通する3つのワースト習慣【整体プロが教える1分腸活ワーク】
「“毒”をためこみやすい人」に共通する3つのワースト習慣【整体プロが教える1分腸活ワーク】

 ◎「腸ほぐし」のワーク

【手順1】
 ◆両脚を開き、鼠径部に手を添え、数回バウンド

【手順2】
 ◆左脚を後ろへ大きく一歩引いたら、下行結腸(かこうけっちょう・図参照)の上あたりの脇腹を手でおさえる

【手順3】
 ◆右脚に重心を移動。左の鼠径部をぐーっと伸ばす

 左鼠径部の伸びを感じましょう

【手順4】
 ◆体を右側へひねり、脇腹を右方向へ。深くマッサージ。しばらくおこなう

 さらに鼠径部を伸ばすことで、腸の蠕動運動を活発にします

【手順5】
 ◆反対側も同様におこなう

 ※硬い側は長めにおこなう

 時間に余裕のある方は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」も老廃物をしっかりデトックスします。

※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。