
──運河沿いに広がる光景から「日本のベニス」と呼ばれる富山県射水市の内川。その川沿いで素敵なバーを営まれていますね。
藤井 ありがとうございます。経営する「Bridge Bar(ブリッジバー)」は築80年の古民家をリノベーションして2018年12月にオープンしました。店名のブリッジバーは「人や文化の架け橋となるお店」という意味が込められています。
──繁華街ではないこの場所にバーをオープンした経緯をお聞かせください。
代表取締役・藤井宏祈(ふじい ・あつき)氏。1997年生まれ。愛知県海部郡蟹江町出身。東京・赤坂見附のイタリアンレストランで3年ほど勤務。同店の常連客だった米国出身のスティーブン・ナイトさんと2018年12月に新湊内川に「Bridge Bar」をオープン。現在に至る。
藤井 創業者であるスティーブン・ナイトは20年ほど前に米国から来日し、首都圏で翻訳や通訳の仕事をしていました。地方移住を考えていたときに訪れた内川の景観に魅了され、古民家を改装し、かねての夢だったバーを開業しようと決めたのです。
そのバーテンダーにと誘われたのが、東京のイタリアンレストランで働いていた私です。縁もゆかりもない場所でしたが、親しくしていたスティーブンと一緒に店を立ち上げられるチャンスと思い、飛び込みました。スティーブンは残念ながら25年1月に逝去しましたが、その遺志を継いで、今は私が経営しています。
──「ブリッジバー」のコンセプトは?
藤井 都会の本格的なバーに行き慣れているお客さまにも、バーになじみがないお客さまにも楽しんでいただける時間をご提供することです。
2階建ての店内は、オーセンティックな雰囲気を漂わせる1階のカウンター席に加えて、さまざまな書籍に触れられる1階のソファ席や、大きな窓から運河の夜景を味わえる中2階のテーブル席、個室感がある2階のソファ席など、個性の異なる空間を用意。思い思いのひとときをお過ごしいただけます。
──メニューはどのようなものを?
藤井 さまざまなお客さまのご要望に対応できるよう、幅広くそろえています。当店の大きな特徴は、100種類以上のアメリカンウイスキーをそろえていることです。現地でしか手に入らない銘柄も買い付けており、ウイスキーに詳しいお客さまにもご満足いただける一方、3種類をテイスティングできるセットや、一つ一つの銘柄を解説したブック型の銘柄リストも備え、詳しくない方でもその魅力に触れられるようにしています。







