キーエンス元トップ営業が、スーツでビシッと決めないワケ…顧客に愛される「最強の服装」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「人は見た目が9割」と、高級ブランドでスーツを仕立てたり、光沢感溢れる革靴で商談に臨んだりしていないだろうか?キーエンス史上初の3期連続全社1位のセールスを達成した筆者は、まったく別のアプローチでビジネスウエアを選んでいるという。営業パーソンの正しい服装とは?※本稿は、齋田真司『キーエンス 最強の働き方 新人からベテランまで、最短で成果を最大化するシンプルなルール』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

スーツを完璧に着こなすのが
常に正解とは限らない

 仕事ができる営業パーソンといえば、スーツはビシッと折り目が付き、ワイシャツはパリッと糊が利き、靴はピカッと黒光りしている姿を想像されると思います。

 実際、キーエンスの営業にもそういう見た目の人がたくさんいました。それはそれで評価に値します。

 でも、ちょっと考えてみてください。

 もしあなたが日々激務に追われ、上着はオフィスチェアの背もたれに掛けっぱなし、ワイシャツには汗がにじんでしわが寄り、毎日靴を磨く余裕などなかったとしたら。ビシッ、パリッ、ピカッとした営業担当者が目の前に現れたとき、どう感じるでしょうか。

「あちゃー、だらしない格好で対応して申し訳ないな。なんかムダに緊張してきた……」

 きっと、心の中でそう呟くでしょう。

 相手の状況に合わせて、違和感を与えないことを最優先に考える必要があります。アイテム別に見ていきます。

営業パーソンの正しい服装
スーツ、靴、ワイシャツの作法

 私がこだわっていたのは、スーツの状態です。

 クリーニングに出したてのパリッとしすぎたスーツは高級な腕時計と同様、違和感や反感の原因になる可能性があると考え、あえて多少ヨレッとした状態をキープするようにしていました。