常に「腕時計なし」や「ちょいヨレ」が正解なわけではなく、訪問する場所や相手の服装、気持ちを想像して、違和感を抱かれない服装を選ぶことが重要なのです。

 これはビジネスの場面に限ったことではありません。

 たとえばPTAの集会にハイブランドのスーツで現れたらどう思われるでしょうか。目上の人と高級店で会食するのに、Tシャツに短パン姿だったら?

 残念ながら、「TPOをわきまえない人だな」「何も考えてない人なんだな」と思われてしまいます。

 ご近所さん、友人、義父母、PTA関係の人など、誰かと会うときは常に、その相手に違和感を持たれない服装を心がける。

 人と会う前にちょっとだけ想像力を働かせる気遣いが、「愛され」への近道なのです。

いい笑顔を身につけるのは
営業パーソンの基本

 外見の準備、最後の仕上げは「笑顔」です。

 世の中には生まれながらにして人を虜にするような笑顔を繰り出せる人もいますが、残念ながら多くの人はそうはいきません。私もそんな神様からの贈り物には恵まれなかったので、練習と工夫で営業パーソンとして必要な笑顔を身につける必要がありました。

 笑顔の練習は、大きく2つのステップで行います。

 まずは、鏡を見ながら笑顔を作ります。大笑いする必要はありませんので、リラックスして、微笑んでみましょう。口角と目尻の変化に注目します。「イー」と声を出すのもおすすめです。

 ここで意識するのは、自分自身ではなく、取引先のお客様になったつもりで笑顔を観察すること。他人の目で、鏡の中の笑顔に違和感を覚えないかどうかを確かめます。

 あいさつと同様、笑顔にも「これが正解」という模範解答があるわけではありません。お顔は人それぞれですから、自分に合った笑顔はみんな違います。

 自分なりの笑顔を作って、お客様の目線から見て違和感を覚える部分があれば改善する。笑いすぎではないか。作り笑顔っぽくはないか。引きつったり震えたりしていないか。