考えてみてください。「何かご質問は」、という問いかけは、自分が売ろうとしている商品について、「何がわからないか」や「何に興味があるか」を相手に考えさせているわけです。それを相手に強要するのは、横柄な態度ともいえます。

 代わりにおすすめなのが、「ここまでで、実際に採用(ご使用)された場合に懸念されること、ご心配なことはありませんか?」という質問です。「何か問題だと思われることはありますか?」などと言い換えてもかまいません。

 質問の対象を「懸念のあること」や「問題だと思うこと」といったネガティブ要素に絞り込むことで、相手があなたの説明に否定的な感情を持っていたとしても、「その商品、うちではあまり使わないんだよね」といった具合に、「自分に関係があるかどうか」という視点でしっかり考えてもらえます。

 そして、「うちでは要らない」といった否定的な答えが返ってきたら、大チャンス。

 ロールプレーは、基本的な営業スキルを身につけるために極めて重要な練習手段です。会社の先輩や上司が付き合ってくれればベスト。それが無理なら、同僚同士で練習し合うのもいいかもしれません。

 少なくとも相手を観察すること、一方通行にならないよう気をつけること、定期的に質問を挟み込むことなどはプライベートでも練習可能ですし、どんな場面でも役に立ちます。家族や友人との会話でも、常に意識するようにしましょう。