ケビン・ハセット氏Photo:Bloomberg/gettyimages

【ワシントン】トランプ米政権は、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の最終候補者らとの面接を今週開始する予定だったが、これを中止した。ドナルド・トランプ大統領は、FRBを率いる人物について決意を固めたことを再び示唆していた。

 事情に詳しい複数の関係者によるとトランプ氏のチームは、3日にJD・バンス副大統領との面接が予定されていた候補者らに、面接の中止を通知した。この決定の理由は示されなかった。関係者の1人は、副大統領のスケジュール上の都合が理由だと述べた。また、面接が再設定されるかどうかははっきりしないとした。

 トランプ氏の長年のアドバイザーで次期FRB議長の最有力候補とされるケビン・ハセット氏も、バンス副大統領や政府当局者との面談を予定していた1人だったと、同氏に近い関係者が明らかにした。その他の最終候補には、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏、現FRB理事のクリストファー・ウォラー氏がいる。

 バンス氏の報道官はコメントの要請に応じなかった。ホワイトハウスは発表文で、「トランプ大統領が自ら発表するまで、次期FRB議長に誰が選ばれるかは誰にも分からないというのが実際のところだ。それまでは全て純然たる臆測に過ぎない」と述べた。

 トランプ氏は2日の閣議で記者団に、候補者を1人に絞り込んだと語った。その後のイベントでは、同席していたハセット氏を「FRB議長候補」として名指しした。トランプ氏は次期FRB議長の人選プロセスがほぼ完了したことを示唆する一方で、来年初めまで選択を明かさないと述べた。