南場さんの仕事に求めるプロとしての水準の高さや、採用しようとしている学生の質への妥協のなさに加えて、どんなに些細なことでも遠慮なしに意見をぶつけてくる面接官や役員陣、戦略や施策などの思考が甘いと建設的な指摘をしてくるチームメンバーもいる。そして通常の業務に週末のイベントに、会食にと、スケジュールは超多忙だ。
そんなハードな環境ゆえ、社内で「次、新卒採用のマネージャーなんです」と挨拶や報告に回ると「お、大変だね……」と皆が口をそろえるポジションでもあった。
前置きが長くなってしまったが、超ハードながらもなんとか仕事を頑張っていた時に、いつもの南場さんとの1on1で、ふと言われたのが冒頭の言葉だ。
「石倉はさ、頑張っていると思うよ。でももっとワガママに仕事しないとダメだよね。ワガママさが足りない」
最初言われた時は意味がわからなかった。ただ、よくよく話を聞いてみると、次のような話が返ってきた。
目的のためなら
もっとワガママに会社に要求すべき
「石倉の仕事は新卒採用のリーダーなわけだよね。つまり、このタイミングで就職活動している人の中からトップ1%の優秀な学生がウチに入ってきてくれるようにするのが仕事なわけじゃない? でもさ、本当にトップ1%の学生にとってDeNAって入ってみたい、入りたいと思う会社なのかね? そうなっていないんだとしたら、そういう会社に変えるのが、あなたの仕事なのよ。
例えば、グローバルで見たら20代、30代のリーダーが引っ張っている会社なんていくらでもあるわけで。それが本当に必要なんだったら、『優秀な学生を採用するために必要なんで南場さん降りてください』って言うべきだし、働き方とかマネジャーのいないホラクラシー(上下関係のないフラットな組織)みたいなのが必要なんだったら、『マネージャーのいないホラクラシー組織に変えろ』と言うべき。
今はさ、なんとかかんとか使えるお金とリソースを使って採用しているけど、根本的にもっとワガママに会社に要求すべきだと思うんだよね。それくらい採用は重要だし、その責任を負っているんだからもっとワガママにやれよ。それがリーダー、責任者の仕事」







