米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は10日、FRBは追加利下げを当面「保留」するのかと問われ、この日の利下げによって金利水準は「中立的な値とみられる広い範囲におさまった」と記者団に語った。FRBは同日、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げて3.5~3.75%とすることを決定した。「中立」金利とは、経済を刺激も抑制もしない水準を指す。パウエル氏は「われわれは経済がここからどのように展開するか様子見できるだけの良い状況にある」とし、「様子を見る必要がある」と述べた。さらに、FRBは「入ってくるデータを注意深く評価する」としつつ、精度に疑問を呈した。家計調査データはインフレ統計でも雇用統計でも、政府機関閉鎖により10月から11月半ばまで収集されなかったため、技術的要因でゆがみが生じている可能性があるとパウエル氏は指摘した。