明日も勉強したくなる「やる気残し」勉強法とは? 【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、メソッドの一部を公開します。

明日も勉強したくなる! 「やる気残し」勉強法とは?
宅建試験で合格できない一番の原因、それは途中で勉強をやめてしまうことです。最初はやる気満々で始めたとしても、途中で気持ちが折れてしまう、勉強を継続できなくなる、そういうケースが非常に多いんですね。とくに独学で合格を目指す方は、まずそこをしっかり意識していただきたいんです。「独学でいく」と決めた時点で、自分のモチベーションは自分で管理しなければいけない。誰も励ましてくれる人はいませんし、サボっても怒ってくれる人もいない。その孤独な状況の中で、どうやってモチベーションを維持していくか、これはもう自己マネジメント力にかかっています。
私自身、これまでいくつもの資格試験を独学で乗り越えてきました。その中で強く感じているのが、「やる気は貯金できる」ということなんです。ちょっと不思議に聞こえるかもしれませんが、これは本当に大事な考え方です。やる気というのは、その日その日に最大限使い果たすものではなく、少し残しておくものなんです。
勉強をがんばりすぎると……
たとえば「我慢ウィーク」と名付けたような、勉強に集中する期間がありますよね。こういうときに「よし、今日1日ガッツリやろう」と思う方も多いはず。決してそれが悪いわけではありません。でも、注意してほしいのは、そうやって一日中がんばりすぎてしまうと、次の日、もしくはその先に響いてくる可能性があるということです。つまり、10月の本試験までずっとそのハイペースを保てるかというと、正直それは現実的ではない。最初の勢いだけで走り続けるのは難しいんです。
だからこそ、「まだいけるな」というタイミングで、あえてやめる。これがとても大切なんです。もうちょっと進めそうでも、思い切って切り上げる。そうすると、その「もうちょっとやりたかったな」という気持ちが、次の日の原動力になります。この「やる気の余力」が、いわば貯金されている状態になるんですね。逆に、限界まで詰めてやりきってしまうと、やる気はその日で燃え尽きてしまいます。そうすると翌日はエンジンがかからず、「昨日はあんなにやったのに、今日は全然やる気が出ない」となってしまう。こうしてペースが落ちてしまうのが、本当に多いんです。
「がんばりすぎず、余力を残す」意味
これは特に、働きながら、育児をしながら、何か他のことと両立しながら勉強している方にとっては致命的です。だから、「無理をしない」「あえて余力を残す」という姿勢が大事になってきます。調子の良いときほど「もっとやりたい」と思うかもしれませんが、そこでやりすぎない。あえて残す。その「ちょっとやりたいな」「続きが気になるな」という状態で1日を終えるのが、最高なんです。そうすると、次の日も気持ちよくスタートが切れるし、その勢いをずっとキープし続けることができます。
これは勉強に限らず、すべての継続的な努力に通じるものだと思いますが、特に宅建試験のように中長期戦になるものには効果抜群です。やる気の貯金があると、勉強が習慣になり、習慣が安定したパフォーマンスを生み出してくれる。だから大事なのは、1日でどれだけやるかじゃないんです。毎日、やり続けられるか。やめずに、10月まで自分を保てるか。そこが勝負なんです。
ちなみに、私のYouTube動画が1本あたりだいたい5~10分程度なのも、これと関係しています。なぜ長くしないのかというと、皆さんが毎日のスキマ時間に無理なく見られるようにするためです。1時間もあるような講義動画って、たしかに情報量は多いかもしれませんが、それを毎日継続して見るのは難しい。でも短ければ、電車の中でも、休憩中でも見られる。だからこそ、この長さにこだわっているんです。
ということで、今回は「やる気は貯金できる」というテーマでお話ししました。サスちゃんさんからのご質問にお答えする形になりましたが、これは本当に多くの受験生に共通する課題だと思います。モチベーションを「高める」ことよりも、「失わずに保つ」ことの方が、ずっと大事です。今のやる気を、無理に燃やし尽くすのではなく、大事に少しずつ使っていく。これが、宅建試験のような長丁場の勉強には最適なんです。
明日もまた「やりたいな」と思えるように、今日はちょっと早めに切り上げてみてください。それが、続けられる秘訣です。
(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を一部抜粋・加筆したものです)