【マイナ保険証は即返却?】75歳以上の人が亡くなった時のルール
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。
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【マイナ保険証】75歳以上の人が亡くなったらどうなる?
本日は「マイナ保険証と相続」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合う際、ぜひ参考にしてください。
75歳(寝たきり等一定の障害があると認定された場合は65歳)以上の人は、後期高齢者医療保険に加入します。保険料算定のしくみは前年所得に応じて計算される所得割額と、加入者全員が等しく負担する均等割額をもとに計算します。
死亡後、14日以内にこの書類を出して!
後期高齢者医療保険は、都道府県ごとに全市区町村が加入する「後期高齢者医療広域連合」が運営をしています。保険料の決定、医療費の支給等は広域連合が行いますが、保険料の徴収、届出関連は市区町村が行っています。後期高齢者医療保険に加入している方が亡くなった場合には、死亡した日から14日以内に「後期高齢者医療障害認定申請書及び資格取得(変更・喪失)届書」の提出が必要になります。
必要なもの
・亡くなった方の保険証
・申請者の印鑑(認印でOK)
届書は、各連合によって様式が異なりますが、都道府県の後期高齢者医療広域連合や各都道府県のホームページ、または市区町村役場の担当窓口で入手可能です。提出先は市区町村役場の担当窓口です。
各自治体に確認しよう!
市区町村によっては、マイナンバーや届出をする人の本人確認書類が必要となる場合もあります。また、国民健康保険と同様、死亡届を提出していれば、前述の「後期高齢者医療障害認定申請書及び資格取得(変更・喪失)届書」の提出が不要となる場合もあります。死亡届を出すことでマイナ保険証は自動的に失効するため、返却不要ですが、資格確認書は返納を求める自治体もあるので、必ず確認しましょう。
後期高齢者医療保険制度には扶養という考えがないため、加入者全員が個々に保険料を支払います。そのため、後期高齢者医療保険制度に加入している夫が亡くなった場合でも、健康保険のように妻に国民健康保険への加入手続が必要となるなど、別途の手続は生じません。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)








