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あまりにも有名な至言、「雄弁は銀、沈黙は金」。だが実際の会話で沈黙が続くと、気まずい気分に駆られてしまう。ところが、新聞記者を33年続けてきた白鳥和生氏によれば、良質なインタビュー記事をモノにするには、会話を盛り上げつつ、沈黙も使いこなす技術が大いに助けになるという。ビジネスにも有効な、高度な取材テクを紹介したい。 ※本稿は、白鳥和生『雑談が苦手な取材のプロが33年続けた 本音を引き出す聞く力』(CEメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。

口下手でも簡単にできる
相手を“乗せる”会話テクニック

 いろいろなポイントを頭に入れて聞いていても、困ったシーンに遭遇することがあります。特に「話が盛り上がらない」「相手の話を止められない」「沈黙が続いて不安」なときに、どうするのがよいでしょうか。

 話が盛り上がらないのは、「気の利いた返し」ができていないからではなく、「リアクション」が薄いからかもしれません。

 そもそも相手は「気の利いた返し」を、ほとんど期待していません。相手は興味を持って話を聞いてくれて、気持ちよく話せるように盛り上げてくれれば、それで十分なのです。

 ですから、予想外のリアクションが効果を発揮します。特に効果的なのが、「驚き」や「感嘆」の気持ちを相手に伝える「のけぞる」「乗り出す」「目を見開く」の3大リアクション。リアクションは、相手に「大げさだなぁ(笑)」と思われるぐらいでちょうどよいのです。

 体を少し後ろにそらして「のけぞる」体勢を取ると、「驚いていること」をはっきり相手に示せます。無言でもいいですし、「え!?」「うわぁ!」などと言いながらでもよいでしょう。