「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

【働きたくない人必見!】インド人の「働かないための知恵」がスゴすぎるPhoto: Adobe Stock

「インド的下請け文化」の正体

 まず、インド民の習性として「インド的下請け文化」という言葉を定義したい。

 これは、「役割を細分化し、苦労が多い仕事を立場が下の人間にどんどん下ろしていくことを是とする社会文化特性」だ。インドで生活していると、この文化はカーストという宗教的背景が存在するヒンドゥー教徒に限らず、イスラム教徒や仏教徒も含めて、宗教にかかわらずインドの社会・組織文化として地域と人心の隅々に浸透している事実がわかる。その現実と人々の思考法を理解することから始めたい。

 インドの社会を観察していると、インド的下請け文化は以下のような過程でインド社会の隅々に広がっていることがわかる。

職場にいる月収数万円の「メールボーイ」たち

 インド民がこのやり方をいかに極端に行っているのか、抽象的な説明のみではどうしてもイメージしにくいだろう。あなたにできる限り現場感覚を持ってこの状態を理解していただくために、「メールボーイ」のシチュエーションを例に挙げよう。

 オフィスで仕事をしていても下請け文化は非常に色濃い。自分よりも職位が下の者がいれば、容赦なくどんどん仕事を「下請け」に出していく。同じようにそれを受けた者は可能な限りさらに下の者に仕事を投げていく。

 だからこそ、インドのオフィスには、昔の日本の「お茶汲み女性」のように、コピーを取ったり、届いた郵便物をデスクに届けたり、ティッシュの交換をするなどの雑務をするだけの「メールボーイ」が多数いる(“ボーイ”と言ってもおっさんなのだが)。100人しか出勤していないオフィスに、これらのメールボーイや掃除のスタッフや警備員や社用車のドライバー合わせて20人も働いていることも普通に起きる。これらの、月収一桁万円の低い給与で働いている使用人を派遣する会社がインドには無数にあり、オフィスワーク全体がその前提で動いている。

インド人の「他人を使う」思考

 インドの社会は階層に分かれているものの、「自分が楽をするために仕事を落としている上層」と、「それを支える下層」が、互いがなくてはならない存在として共生している。

 このような極端な分業体制は、必ずしも質や効率の向上といった目的を十分に検討されているわけではなく、単に「この仕事はやりたくないから下に任せよう」という思考から下請けに回される傾向にある。つまり、自分が「楽をする」ことを考えずに流れる仕事を自分でせき止めていたら、自らが重荷を背負ってしまうのだ。よって、全ての階層の人間に「他人を使う」思考が身についている。

(本記事は『インド人は悩まない』の一部を加筆・調整・編集した原稿です)