「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」‥‥‥。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。
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「無口」「内向的」には、理由があるのかもしれない
「うちの子、昔から無口で……」
「話すのが苦手な内向的な性格で……」
そう思っている親御さん、少し待ってください。本当にその子は内向的だから話さないのでしょうか?
もちろん「無口や内向的な性格」自体は悪いわけではありませんが、実は本来の性格はそうじゃないのに、「話せなくしている原因」が家庭環境――とりわけ親の「言葉がけ」にあるのだとしたら、要注意かもしれません。
たとえば、小学4年生のAくん。家庭ではほとんど話さず、親も「Aは内向的」と思い込んでいました。ところがある日、Aくんが仲の良い友だちと楽しそうに話している姿を見て母親は驚きます。
「え、Aったら、こんなに話せるんだ!」。
Aくんが“話さなかった”のは、家庭で自分の意見を安心して話せる機会がなかったからでした。
子どもにも伝えたい思いや考えがあると信じる
話し始めた途端に「そうじゃなくて!」と否定されたり、「結論から言って」と急かされたり、「◯◯はこういう性格だから仕方ないよね」と決めつけられたりすると、子どもは「どうせ話を聞いてもらえない」と感じ、しだいに話す意欲を失います。
こうした「誤った声がけ」が、子どもの言語化の芽を摘み、「内向的に見える子」をつくってしまうのです。
では、親は子どもに、どのように接すればいいのでしょう?
まず、「この子にも、伝えたい思いや考えがあるはず」と信じること。
そして、子どもの考えや意見を否定したり、決めつけたりしないことです。
たとえば、「友だちにムカついた!」と話したなら、「そんなことで怒らないの!」「あなたも悪いんじゃない?」と評価するのではなく、「それだけイヤなことがあったんだね」「どんなやり取りがあったの?」と、気持ちや出来事をていねいに受け止めましょう。
あるいは、子どもが「将来ユーチューバーになりたい」と夢を語ったなら、「そんなの無理」と現実を突きつける必要はありません。「ユーチューバーのどんなところがいいの?」と動機や価値観を聞き取る姿勢が重要です。
それは甘やかしではなく、「あなたの考えには耳を傾けています」という尊重の姿勢です。
急かさず、遮らず、誘導せず!
子どもが言葉を探しているときには、急かさず、遮らず、誘導せず、最後まで耳を傾けてください。「(自分の意志で)話せた!」という体験の積み重ねによって、子どもたちは、言葉にすることへの自信を深めていきます。
親の役目は「言語化することへの自信を失わせないこと」に尽きます。子どもに対する、一方的なレッテル貼りや決めつけは、子どもから自信を削ぐ行為です。十分に注意しましょう。
拙著『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』には、親子で楽しく遊べて言語化力があがる「ことば遊び」をたくさん掲載していますが、本書で遊んでいただくときも、子どもの自信を削ぐ声かけになっていないかに常に注意していただけると嬉しいです。
*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。






