『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「初任給が高い会社」に飛びついた新卒の3年後について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。
Photo: Adobe Stock
採用戦略のトレンド
近年、初任給を引き上げる企業が増えています。人手不足が深刻化する中で、分かりやすい魅力として「初任給の高さ」を前面に出す動きが、採用戦略の一つとして定着しつつあります。
学生側にとっても、初任給は比較しやすい指標です。求人票を見た瞬間に優劣が分かりやすく、生活のイメージもしやすいため、「給料が高い会社=良い会社」と感じてしまうのは自然な反応でしょう。
ただし、企業が初任給を上げる背景には、必ずしも「社員に長く還元したい」という意図だけがあるとは限りません。採用競争を勝ち抜くための短期的な打ち手として、初任給が使われているケースも少なくないのです。
初任給は高くても昇給しにくい可能性がある
注意したいのは、初任給と将来の年収は必ずしも比例しない点です。初任給を高く設定している一方で、その後の昇給幅が小さく、数年働いても給料がほとんど伸びないケースは珍しくありません。
理由の一つは、人件費の配分です。限られた人件費の中で初任給を引き上げると、その分、昇給や賞与に回せる余地が小さくなります。結果として、「入社時が一番給料が高く感じる」という状況が生まれやすくなります。
また、初任給を武器に大量採用を行い、早期離職を前提としたビジネスモデルになっている企業も存在します。この場合、長く働く人ほど割に合わない構造になりやすく、入社後に違和感を覚えて3年後には転職している人も少なくありません。
企業選びは「給料」だけで見ないことが重要
初任給は大切な要素ですが、それだけで企業を判断するのはリスクがあります。特に重要なのは、仕事内容との相性です。
仕事内容が合っていないと、成果が出にくく、評価もされにくくなります。結果として昇給やキャリアアップの機会を逃し、「給料が高い会社に入ったはずなのに、将来が見えない」という状態に陥りがちです。
一方で、仕事内容と相性が良ければ、成長スピードは自然と上がります。評価もされやすくなり、昇給や役割の拡大につながる可能性は高まります。長期的に見れば、初任給以上の差が生まれることも珍しくありません。
企業選びでは、初任給という分かりやすい数字だけでなく、どんな仕事を任されるのか、どんな評価軸で給料が上がっていくのかまで見ることが重要です。
初任給の高さに惹かれたときこそ、一度立ち止まって考えてみてください。その会社で働く自分を具体的に想像できるかどうかが、後悔しない選択につながっていきますよ。








