【税務署が絶対チェック】“海外に家族がいるだけ”で狙われる人が急増中!?
本連載は、相続に関する法律や税金の基本から、相続争いの裁判例、税務調査で見られるポイントを学ぶものです。著者は相続専門税理士の橘慶太氏で、相談実績は5000人超。遺言書、相続税・贈与税、不動産、税務調査、各種手続といった観点から相続の現実を伝えています。2024年から始まった「贈与税の新ルール」等、相続の最新トレンドを著書『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋し、お届けします。
Photo: Adobe Stock
【税務署が絶対チェック】海外に“家族がいるだけ”で疑われる!?
本日は「税務署と相続」についてお話をします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。
税務調査で指摘されやすいものとして真っ先に思い浮かぶのは、名義預金かもしれません。ただ、最近の傾向として「そこ、そんなに見られるの?」という意味で意外に調査の入口になりやすいのが、海外に関係する財産です。ポイントは、本人が海外に資産を持っているかどうかだけではありません。相続人が海外にいる、というだけで調査が入りやすくなるケースがあるということです。
具体的なケースを紹介
たとえば、娘さんがアメリカ人と結婚して海外に住んでいる。親が会いに行くためにアメリカへ頻繁に渡航している。こうした事情があると、「海外にも財産を置いている可能性がある」と見られやすくなります。海外不動産を一つ買っているかもしれない、海外の銀行口座を開設しているかもしれない、という想像が成り立ってしまうからです。海外財産はそもそも計上漏れが起きやすいと思われがちで、そこが調査対象として目を引きやすい、という背景もあります。
海外ならではの仕組みとは?
さらに、海外ならではの仕組みが、調査の論点になりやすい理由を強めます。その代表がジョイントアカウントです。ジョイントアカウントは、二人で一つの口座を持つ仕組みで、夫婦連名の預金口座や親子連名の預金口座が作れる国や地域があります。ここで問題になりやすいのは、「口座に入っているお金の中身は、結局誰の財産なのか」という点です。名義が二人になっている分、見た目だけでは判断しづらく、資金の出どころや実際の管理状況が問われやすいです。
言い方を選ばずにいえば、こうした口座は「言い逃れが起こり得る」形でもあります。親子連名のジョイント口座に仮に1億円入っていて、「5000万円は父が入れたけれど、残りの5000万円は自分が入れた」と主張されたとき、その資金の流れが追えなければ、主張が通ってしまう余地がゼロではありません。だからこそ税務署は、そうした余地を残さないために、入金の経緯や送金の流れを細かく追い、実質的に誰の財産なのかを見にいきます。
まとめると、税務調査が入りやすい「超意外な財産」とは、海外にある財産そのものだけではなく、海外の相続人や渡航歴などをきっかけに疑義が生まれやすい“海外に紐づく資産”です。なかでもジョイントアカウントのように、名義と実態がズレやすい仕組みは論点になりやすいです。海外に家族がいる、海外との行き来がある、海外口座を持っている。こうした要素がある場合は、申告の段階で資金の出どころと管理実態を整理し、説明できる状態にしておくことが、結果的に一番の防御になります。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







