毎日の仕事や家事に追われ、「生活のため」と走り続けるうちに、いつの間にか目の前のタスクが人生の中心になっていることがある。話題の書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)には、「ふだん見失っている大切なこと」を思い出させてくれるヒントが紹介されている。今回は、本書をもとにライター・柴田賢三氏に「人生の真ん中」に置くべきものについて寄稿していただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【人生は一度きり】自分の人生にとって「本当に大切なこと」とは?Photo: Adobe Stock

頼りにしていた妻の突然の手術、入院に動揺

数年前、妻が急に手術をすることになった。

それほど深刻な病気ではなかったが、家族にとっては一大事。医師から「1週間ほどの入院予定」と聞かされ、私はパニックに陥った。

まだ娘も幼い時期で、まったく料理のできない私は、妻の病状より「娘の食事をどうするか」で頭がいっぱいになってしまったのだ。

当時の妻は更年期の一番つらい時期で、私にもささいなことで激しい怒りをぶつけてきていて、夫婦関係も悪化していた。

それもあって、妻の病気より先に娘の食事や精神的なケア、自分の仕事の調整などに気をとられていたのかもしれない。

迎えた手術当日、ストレッチャーに乗せられた妻が、無言で私の手を強く握ってきた。もう10年以上、手を握ったことなどなかったのに……。

「自分にとって本当に大事なことは何か?」

停滞した自分を変える指南書『人生アップデート大全』の中に、「大事なことを、人生の『真ん中』に戻そう」という項目がある。

「いつの間にか、人生の中心が『自分の望む未来』ではなく、『目の前のタスク』になっているかもしれません。
大切なのは、『本当に大事なこと』を人生の中心にすえることです。」
――『人生アップデート大全』より

著者の池田貴将氏は、「本当に大事なこと」だけを人生の中心に置くと、覇気が戻ってくると書いている。

私の場合、家庭を顧みない昭和そのものの働き方をしていたが、この妻の手術前の行動ではっきりと意識が変わった。

手術後も休みを確保して、外食でごまかそうと思っていた娘の食事もYouTube頼りながら手料理に挑戦。

お母さんが心配で泣いていた娘も「おいしい」と言ってくれて、なんとか1週間を乗り切ることができたのだ。

仕事はあくまで仕事。家族のために、そして自分のために生きる

この経験は、私に「本当に大事なこと=家族」を人生の中心に置くことを決断させ、フリーライターの道を選び、今に至っている。

会社員のころは、「家族のために」と思って心身をすり減らしていた。

フリーランスになった今は自分のペースで仕事をしながら家族との時間も持てるようになり、池田氏の言葉どおり覇気も取り戻せた気がする。

日々に忙殺されているだけだと、気づいたときに何も残っていないことがある。

忙しいときこそ、「自分にとって本当に大事なことは何か?」立ち止まって考えてみたい。