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14日夜、フランス山岳歩兵部隊の隊員15人がデンマーク自治領グリーンランドへの米国の侵攻を抑止する任務の第1歩として滑走路へ行進し、「グリーンランド・エクスカージョンズ(周遊)」と書かれたバスに乗り込んだ。
その200マイル(約320キロ)北にある空軍基地では、デンマーク軍のC130輸送機からスウェーデン軍の兵士が降り立ち、ドイツ陸軍の偵察チーム13人も2日間の派遣に向け動員された。
欧州各国は北極圏において、小規模ながら前例のない形で軍事および外交資産の増強を進めている。米国と最も近いこれらの同盟国は、グリーンランドの価値を引き上げようとしている。ある欧州高官は、グリーンランドが「簡単な獲物」ではないことを米国に示すことも目的の一つだと述べた。
北大西洋条約機構(NATO)にとって初めてのことだが、欧州の加盟国は最大の同盟国である米国による軍事行動を抑止するため、味方の領土に部隊を派遣している。
数週間にわたり準備されてきた今回の派遣は、14日にデンマークの外交官が米首都ワシントンで米政府高官と会談している中で展開された。複数の欧州当局者は、グリーンランドを奪おうとするいかなる試みも、米国およびその最も価値ある同盟関係に負担を強いるものだと述べた。派遣はドナルド・トランプ大統領に対し、このメッセージを伝えることが狙いの一つだという。
当初、約30人の部隊という象徴的なものに過ぎないとはいえ、欧州の連帯を示すこの動きはデンマーク政府がトランプ氏との交渉で切り札を得ることも目的としている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は15日、領土主権の問題について欧州は「妥協してはならない」と述べた。
欧州各国が抱える重大な疑問は、トランプ氏が安全保障上の懸念を主張する中、グリーンランドを米国の支配下に置く以外の取引は可能なのかということだ。
トランプ氏は、国家安全保障のためには、カナダのすぐ北東に位置するグリーンランドを米国が所有しなければならないとの認識を示す。14日には、米国が同島を支配しなければ、中国やロシアが支配するだろうと述べていた。ホワイトハウスはグリーンランドを武力で奪取する可能性を排除していない。
デンマークとグリーンランドは、同島は売りに出されているわけではなく、住民も米国の一部になることを望んでいないと説明している。中国はこのところ、グリーンランドにほとんど関心を示していない。一方でロシア当局者は、トランプ氏がグリーンランドを奪取しないのであれば、自分たちが奪うと冷やかすような発言を行っている。







