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ドナルド・トランプ米大統領が示すデンマーク領グリーンランド併合への強い意欲と、欧州数カ国に対する追加関税の脅しは、大西洋を挟んだ同盟関係を危機に陥れている。もし米欧が貿易戦争に突入すれば、米経済はサウスカロライナ州からシリコンバレーに至るまで、その痛みを感じるかもしれない。
欧州指導者の多くは今週開幕した世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席するため、スイス東部ダボスに集まっている。彼らは1000億ドル(約15兆8000億円)超の米国製品に輸入関税を課し、米多国籍企業による欧州の競争入札への参加を難しくするなど、欧州連合(EU)が報復するための方法を検討している。貿易戦争になれば、すでに経済が停滞気味の欧州にとって壊滅的な状況になるだろう。
エコノミストは、関税の応酬によって米国が景気後退(リセッション)に陥る可能性は恐らく低いだろうが、経済成長を鈍化させ、低迷する国内製造業に打撃を与え、米国のインフレ率がまだ適度な水準に戻らない中、消費者物価や企業物価を押し上げる可能性があると指摘する。
長期的には、関係悪化の影響で、欧州は米国への依存を減らし、別の地域と貿易上の絆を深める可能性がある。そうなれば、大西洋両岸の繁栄の原動力となってきた関係が弱体化しかねない。
米国にとって最終的な結果は、米企業の欧州市場での売上高が減少し、そのため利益が落ち込み、中国など諸外国のライバルに門戸が開かれることかもしれない。米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローを務めるメアリー・ラブリー氏はそう指摘する。「ひとたび新しい関係が構築されると、それを変えるのは非常に困難だ」







