3ドルの買い物袋、ステータスシンボルになったワケ米国内でもトレーダー・ジョーズのトートバッグはすぐに売り切れる。この希少性により米国外で関心が高まっている
Photo: F. Martin Ramin/The Wall Street Journal

 ロンドンに暮らすホリー・デービーズ氏は当初、自分が持っているトレーダー・ジョーズのトートバッグは誰の目にもとまらないだろうと思っていた。ポッドキャストプロデューサーのデービーズ氏は、米首都ワシントンへの旅行中に、2.99ドル(約470円)でこの食料品店のバッグを手に入れた。

 デービーズ氏は生まれ育った英国に戻ると、このバッグは単なる名もなきキャンバス地のバッグの一つになるだろうと考えていた。しかし、地下鉄やパブの外や、混雑した通りで誰かの肩からぶら下がっているのを見かけるたびに、ふとした親近感を覚えた。

「私はいつも、それを持っている人に笑顔を向けるようにしている。ロンドンではそれは全く普通のことではない」とデービーズ氏は話す。「トレーダー・ジョーズのトートバッグを持っている人たちと気が合うように感じる」

 バッグを見かけると、ここにも米国とつながりのある人がいると思い、おそらく自分と同じような考えを持つ二重国籍者か駐在員だろうとデービーズ氏は想像していた。だがそのうち目撃する頻度が増えた。何か別のことが起こっていた。

 米国で2.99ドルで販売されているトレーダー・ジョーズのトートバッグは、ロンドンの書店「ドーント・ブックス」やパリの書店「シェイクスピア・アンド・カンパニー」のような、特定の場所と結びついたステータスバッグの仲間入りを果たしている。ロンドンに加えて、ソウルやオーストラリアのメルボルン、東京でも目にする。米国外にはトレーダー・ジョーズの店舗がないため、これらのバッグは英国発のフリマアプリ「デポップ」や、eコマース大手イーベイ、韓国のフリマアプリ「キャロット」などの再販プラットフォームで1万ドルもの値段で出品されており、イーベイでは5万ドルで出品されているものもある。