妻がコーディネートした商品を自ら着て紹介するライブ動画をネットで配信し、注文を頂く仕組みです。「装いを通じてライフスタイルを豊かにしたい」をモットーに、コーディネート紹介だけでなく、雑談も交えて、1回2~3時間のエンターテインメントに仕立てています。

業績不振の地方の洋品店が大変革 接客力を生かしたライブ販売で年商10億円ライブコマースはインスタグラムやTikTokで展開中

 商圏は全国に広がりましたが、後発だったので、年商の3割近い額の広告費を投入しました。途中でコロナ禍に見舞われたので二つの店舗の一つを閉めて、ブランド数を倍以上の120に増やして、ライブコマースに集中しました。

――こちらもリスクを取りましたね。

石川 うちは零細企業で人手も資金もありませんから、中途半端にやっていては勝てません。結果、お客さまから支持され、初年度から年商1億円を突破。注文を受けた分だけ発注するので、在庫も最小限で済み、利益率も改善しました。

――賭けが当たったわけですね。

石川 今では、妻と異なる年齢層や体形のお客さまにも参考になるよう、年齢も体形も異なるライバー(ライブ配信者)を増員し、配信数も月45回に増やしました。その方たちの活躍も目覚ましく、アパレル未経験で地元に住む51歳の方が、入社1年足らずで年間1億円を販売しています。アパレル業界において、これはものすごいイノベーションだと思います。

 私たちはこのライブコマースで「販売員の存在感の向上」を実現したいと考えています。販売職のプレゼンスをアップさせることで、地方で暮らしていても、好きな販売の仕事を一生続けられますし、生計を立てられるような給料も得られます。当社のライバーには年収600万円を超える方もいますし、4年連続で第3ボーナスも支給でき、社員1人平均150万円の第3ボーナス還元を実現できました。さらに輪を広げるために、現在はライバーを増やすための仕組み化に取り組んでいます。

――事業承継後は、順調に成長してきたように見えます

業績不振の地方の洋品店が大変革 接客力を生かしたライブ販売で年商10億円三島駅近くにあるISHIKAWA-LABOの店舗

石川 苦しんだときもありました。そんなとき助けてくださったのが信用金庫です。事業承継前後は三島信用金庫さんに支えていただき、コロナ禍には沼津信用金庫さんに補助金申請をサポートしていただきました。会社の調子がよくないときでも寄り添ってくれるのが信金さんの魅力ですね。

――今後の抱負をお聞かせください。

石川 三島から、アパレル業界だけでなく、地元全体を盛り上げたいと考えています。Uターンする人が少ないのは働きたい会社がないから。都内からでも移住したくなる会社をつくることが、地方創生にもつながると思うのです。地元に雇用をつくり、「外貨」を稼いで地元に税金を納める。そんなモデルを確立します。

(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2026年2月号掲載、協力/沼津信用金庫

事業内容:レディースセレクトショップ、レディースECショップ
従業員数:12人
売上高:10億円(2025年8月期)
所在地:静岡県三島市一番町3‐6
電話:080‐5469‐2316
URL:ishikawa-labo.com