脳出血で倒れた有名経営者が医師の助言「歩くことをあきらめましょう」に3秒で返した答えとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

脳出血で倒れ、右半身麻痺と言語障害を負った著者は、「歩くこと」と「言葉を取り戻すこと」の2択を前に、わずか3秒で「言葉」を選んだ。その瞬発力のある決断力をもたらした思考法を本人が明かす。※本稿は、出口治明『誰も行ったことのない場所へ行こう。そして誰もやらなかったことをやろう。』(祥伝社)の一部を抜粋・編集したものです。

正解の見えない選択肢を前に
人は何を基準に決断するべきか

 結婚、出産、育児、転職など、人生は選択の連続です。でも、目の前の選択肢のうちどれが正解なのか、ほんとうのところはわかりません。正解がわからないからこそ迷うわけですが、人生はトレードオフなので、同時に2つを選ぶことはできません。こちらを選べば、あちらは選べない。当たり前のことです。

 そういう状況では、「どちらかを選ぶ」ではなく、「どちらかを捨てる」と考えたほうがいいでしょう。たとえばクローゼットが満杯になると、新しい洋服を買えません。でも、思い切って古い洋服を処分してしまえば、そのスペースに新しい洋服を収納することができます。

 つまり、何か新しいものを手に入れようと思ったら、先に何かを「捨てる」べきなのです。そして、捨てたものはもう取り戻せません。捨ててしまったのですから、いまさら「あちらのほうがよかったかも」と考えても仕方がありません。

 ちなみに、ご存じかもしれませんが、僕はとても短気な性格です。昔は、会合の時間に遅れる人がいると、何度も何度も腕時計に目をやってイライラしていました。あるとき、「腕時計なんかしているから、時間を気にしてイライラしてしまうのだ」と気づいて、腕時計を捨ててしまったことがあるくらいです。