2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』がついに刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容を、抜粋・再構成して特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

「間違っている」が届かない

・コンサルに言われたことをそのまま鵜呑みにして、現場に導入しようとする役員。
・現場のことをまったく見ていないのに、調子のいい人の噂話を都合よく信じ込んでいる上層部…。

 そんな相手に対して「間違っている」と感じても、意見を言うことがご法度とされる組織文化であれば、言えないのは当然です。

 また、不正が報道された中古車会社のように嘘をついてでも(靴下にゴルフボールを入れて車両をぶっ叩いてでも)顧客からふんだくることを「望ましい」とされれば、それをやるのが、悲しいかな人間です

「いい子」にしていても報われない

 だからこそ、「こう見られたい」という思いで答えたものは正確ではないと言えます。

 相手の立場につけ込み、裸の王様にしてやろうと思う人はごまんといます。でも、それに甘んじていれば、組織は良くなることはありません。

 それは若い世代でも同じです。

「いい子」にしていたって報われるとは限らない。

 当たり障りなく、万人受けを狙っていれば安泰な時代はもう終わりました。

 違和感をなかったことにされ、意思を奪われて「扱いやすいだけ」の存在に成り下がらないでほしいと思います。

漫画『チ。』から学べること

 そんなことを言ったって、会社の上層部が腐っているから仕方ない、と思うかもしれません。

 でも、そうやって自分の周りから変えようとした人が、職場を腐らせないようにすることでしか、会社の命はつないでいくことができないのも事実です。

 世の中をひっくり返すような大発見や新しい常識は、いつだって反発の中から生まれてきました。

 漫画『チ。─地球の運動について─』(魚豊著、小学館)で描かれた地動説を説きつづけていた人びとのように、真実を見た人がそれぞれに行動を起こすことで、世の中が根底から変わっていったのです。

 だからぜひ、「健全に疑う」ということを大切にしてください。

 いいことばかり書いてある情報を鵜呑みにするのではなく、「そう説くことで誰かが潤っているのではないか」「誰かの口が塞がれていないか」という視点を忘れずに。

 今はまだ小さな違和感かもしれないけれど、それで会社全体を変えるのは難しくても、あなたの周りから世界は変えることができる。私はそう思っています。