「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。同書の刊行に寄せて、ライターの樺山美夏さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

「人の気持ちがわかる子ども」の親が教えている、たった1つの習慣Photo: Adobe Stock

洗面台が水遊びをしたかのようにびっしょりに……

家族がバタバタと出かけていった朝。洗面台と鏡に飛び散った水滴を見るたび、私はいつもため息が出た。特に、豪快に水しぶきを飛び散らす犯人は息子だ。彼が去った後の洗面台は、まるで水遊びでもしたかのようにカウンターまでびっしょりになるからだ。

あるとき、「ねえ、ちょっとおいで」と息子を洗面台に呼ぶと、彼は「なーに?」と不思議そうな顔をして来た。自分が水しぶきの犯人だという自覚はまったくないようだ。

「ねえ、もし次に誰かがここを使うとき、洗面台の周りがこんなに水でベチョベチョだと、どんな気持ちになると思う?」

息子は、「しまった!」という顔をして一瞬考え込むと、「ごめんなさい」と小さくつぶやいた。

「一番早く家を出るキミが顔を洗うとき、なるべく水がはねないようにして、顔を拭いたタオルで洗面台の周りをサッと拭いてから洗濯機に入れればいいんだよ。そうすれば、その次に顔を洗うMちゃん(妹)も、お父さんも、お母さんも、気持ちよく使えるよ」

それから息子は、洗面台の水しぶきを拭くようになった。「やればできるじゃん!」と思ったものだ。このように、自分より他人の気持ちに配慮した些細な生活習慣は、親が意識して子どもに教えなければ、わからないまま大人になってしまうだろう。

洗面台をきれいに使おう

そのきっかけを与えてくれるのが、小学校入学前後に知っておきたい93のルールや生活習慣を紹介しているまいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』という本だ。この中にも「せんめんだいをきれいにつかおう」という項目がある。

「人の気持ちがわかる子ども」の親が教えている、たった1つの習慣『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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①みずが あつすぎないか つめたすぎないか たしかめよう。
②みずが はねないようにする。
③あらいおわったら かならず みすを とめよう。
④みずが はねていたら タオルや ティッシュで ふこう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』p.43)

洗面台に飛び散った水を拭く、わずか数秒の習慣。その積み重ねが「相手の立場に立って考える」という一生モノの想像力を育むきっかけになるはずだ。同ページにある「おうちの方へ」のコラムでは、人が待っているときに洗面台を独り占めしないことや、歯磨きしている間はいったん水道を止めるなど、大人にとっては当たり前過ぎるマナーについても触れている。このように、あえて子どもに教えるタイミングを見失いそうな些細なことも、本書を読めば親子で確認できる。