「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。同書の刊行に寄せて、ライターの樺山美夏さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

【食事のマナー】「育ちがいい人」の親が必ず教えていた4つのルールPhoto: Adobe Stock

食事のマナーは「大人になってから直そう」では遅い

「お腹すいたー! 今日のご飯はなに? 早く食べたい!」

放課後、校庭で走りまわって遊んで帰ってきた息子は、大食いの早食いだった。何でも好き嫌いなくバクバク食べてくれるのは、親としては嬉しいもの。しかし、ご飯もおかずも口いっぱいに詰め込んで、その日あった出来事を喋りながら食べ続ける息子に、食事のマナーを教えるのには一苦労した。

「いただきます」と「ごちそうさま」はすぐ覚えてくれた。刺し箸、迷い箸、ねぶり箸……といったマナー違反も10回、20回と繰り返し注意して、ようやくお箸の扱いも落ち着いてきた。しかし、なかなか直らなかったのが「食べながら話すこと」だ。

口の中の食べ物が見えてしまうのは、相手を不快にさせる。そう説明して「飲み込んでから話してね」と優しく注意しても、次の瞬間にはまたくちゃくちゃと食べながら、「あのね、それでね…」と話し出してしまう息子。

そこで私は、思い出したくもない「ある記憶」を彼に語って聞かせることにした。

会社員時代に、取引先の部長さんを中華料理店で接待したときのこと。40代で独身のその男性は、食べ方が驚くほど汚くて、ズルズルくちゃくちゃと音を立てながら食べ続け、食べながら喋り続けていた。しかし、同席していた私たちは何も言えず、食欲は完全に失せ、苦行に耐えるつもりでただ座っていた。ようやく宴がお開きになり、その部長と別れた途端、同席していた私の先輩や上司が吐き出すように部長の食べ方の汚さ、鈍感さなどありとあらゆる悪口を言い始めた。

臨場感たっぷりにその話を息子にした後、私はこう伝えた。
「食事のマナーは、大人になってから直そうと思っても遅いの。誰も注意してくれないまま『裸の王様』みたいになって、陰で周りから笑われてバカにされてしまうんだよ。それはとても悲しいことじゃない?」

この「将来の自分」を想像させる話は、当時、まだ小学3年生の息子にも響いたようだった。しかし、小学3年生でも遅いくらいだ。学校では毎日、給食を食べるのだから、食事のマナーは入学前後に覚えさせたほうがいいだろう。

“食事のマナー”を楽しく学ぼう

小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「しょくじのマナーをまもろう」という項目がある。

【食事のマナー】「育ちがいい人」の親が必ず教えていた4つのルール『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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①ごはんの まえに てを きれいに あらおう。
②くちを とじて しっかり かんで たべるよ。
③くちの なかの ものを のみこむまでは しゃべらない。
④たべおわったら 「ごちそうさまでした」と いおう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』p.37)

これらのルールを教える際は、「おうちの方へ」のコラムにある「マナーは、相手を大事にする気持ちを学ぶきっかけ」 であり、「まわりの人を不快にしない行動」であるということをセットで教えることを忘れないでほしい。