◆賢いプロより、歪みを見つける「ズルい個人」が勝つ
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!
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収益チャンスは「非合理」の中に眠る
なぜ投資判断にエッジを活かすことが大切なのかを理解するには、市場の非効率性に目を向ける必要があります。特に短中期の投資においては、「市場は必ずしも効率的ではない」という考え方をまずは意識しておくべきです。
あえて「市場は常に正しい」という前提を知る
この考え方を説明するため、証券アナリストの教科書などで学ぶ「効率的市場仮説」という、1960年代から米シカゴ大学のユージン・ファーマ教授が提唱したファイナンス理論を簡単に押さえておきましょう。
投資家を絶望させる「効率性」の正体
現在も影響力を持つ「市場は効率的である」との仮説のポイントは次の通りです。
❷株価の予測は基本的に不可能
❸超過リターンを得るのは困難
【解説】「理論」と「現実」の隙間に勝機がある
もし前述の仮説通りに「市場が完全に効率的」であれば、誰も「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏のように市場平均を上回る成果を出し続けることはできません。しかし、現実は違います。
理論はあくまで「参加者全員が合理的ならこうなる」という理想モデルに過ぎず、現実の市場は感情を持った生身の人間が動かしているからです。私たち個人投資家が目指すべきは、この「理論上の効率性」と「現実の泥臭い動き」の間に生じるギャップを見つけることです。
なぜ、それでも「歪み」は生まれるのか
人間は恐怖や欲望で動きます。悪いニュースでパニックになり適正価格を無視して投げ売りしたり、逆にブームに熱狂して実力以上に買い上げたりします。この「感情による行き過ぎ」こそが、効率的市場仮説が説明しきれない「市場の歪み(非効率性)」です。
この歪みが発生した瞬間こそ、理論上の価値と実際の株価に乖離が生まれ、そこに大きな利益の源泉が湧き出します。
個人投資家だけが持つ「最強の武器」
ここでいう「エッジ」とは、この歪みを見つけ出し、利益に変えるための「自分の優位性」のことです。実は、個人投資家には機関投資家にはない大きな強みがあります。それは「短期的な成果を求められる決算の縛りがないこと」や「規模が小さすぎてプロが手を出せないニッチな銘柄を攻められること」です。
プロは説明責任や流動性の制約から、明らかに割安でも手が出せない場面があります。そうした「プロが見逃さざるを得ない隙間」こそ、個人投資家がエッジを最大限に発揮できる主戦場なのです。
「効率性」を知るからこそ「非効率」が見えてくる
効率的市場仮説をあえて学ぶ意義は、それを盲信するということではありません。「普段、市場は基本的に正しい」という前提(物差し)を持つことで、「では、今はなぜ間違った値動きをしているのか?」を論理的に考えることができるようになる点にあります。
市場がふと見せる非効率な瞬間を虎視眈々と狙い、自分なりの優位性(エッジ)を磨き上げる。これこそが、困難とされる「超過リターン」を現実に手にするための、王道のアプローチといえるでしょう。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











