脳のコンディションを整えるうえで、最も合理的な習慣は何か。頭のいい人が実践している脳にいい習慣には、生理学的な裏付けがある。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からヒントを紹介しよう。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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老化は30代から始まっている
同窓会で久しぶりに友人たちに会ったときなど、人によって若々しさが大きく違うことに驚くことはないだろうか。
同じ年齢を重ねているはずなのに、なぜ一方は老け込み、もう一方は若々しいのか。じつはその裏には「筋肉」に対する考え方の差があるのかもしれない。
ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て』は、老化や病気の根本原因を「筋肉の不足」と捉え直した一冊である。医師で老年医学・栄養科学の専門家である著者は、筋肉は代謝を支え、免疫を高め、老化に対抗する重要な「臓器」だと説く。
多くの人は、老いはある日突然やってくるものだと思っているかもしれない。しかし、本書は冷徹な事実を突きつける。
多くの人の想像と違い、それは30代からすでに始まっている。若いころに筋肉を強化しておくと、生物学的な予備能力を蓄えることができ、その効果は一生残る。――『筋肉が全て』より
50代から「筋肉」がどんどん落ちていく
年をとっても若い人は、この変化に早くから気づき、筋肉という「若さの貯金」を積み立てている。
逆に何もしなければ、筋肉は静かに、しかし確実に失われていく。ライオン氏は、特に中高年以降の筋肉減少の深刻さを次のように警告している。
筋力の低下はさらに顕著だ。運動量の低下、質の悪い栄養、ホルモンの減少、ケガ、炎症などが嵐のように降りかかるのが原因だ。
だが嵐と違って、それぞれの要素に働きかけて影響を緩和することができる。タンパク質を多く含む食事をして筋力トレーニングに励めば、筋肉量と筋力の低下は防げる。――同書より
年より老けて見える人と、いつまでも若々しく見える人の違いの本質は、体の表面よりも内側である筋肉の状態にあるのだろう。
すぐに老けていく人の体内では、筋肉が脂肪に置き換わる「霜降り化」が進んでいる可能性がある。これが姿勢を崩し、活力を奪い、病気を招く原因となる。
しかし、希望はある。
何歳からでも、高タンパク質の食事と適切な筋力トレーニングを行えば、この流れを押し留めることができるのだ。
若々しさを保つ人が選んでいるのは、特別な秘訣ではない。筋肉を鍛えるという、もっとも合理的な選択だ。
老化は避けられない。しかし、衰えのスピードは自分で変えられる。今日のスクワットが、数年後の姿勢と活力を左右するのだ。
(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』に関連した書き下ろし記事です)
医師(DO)。イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。







