「本は全部読まない」ずば抜けて頭のいい人の“飛ばし読み戦略”とは?
「本を読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。
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ずば抜けて頭のいい人の“飛ばし読み戦略”とは?
本日は「頭のいい人がやっている読書術」についてお伝えします。
本を読み続けるうちに、「効率よく読めるときほど、実は細部まで読んでいない」という事実に気がつきました。スキミングは、日本語では「飛ばし読み」とも呼ばれます。目的に関係する箇所を素早く見つけるために、重要度の低い部分は読み飛ばすのがポイントです。
学術的に見ると、スキミングは選択的注意(selective attention)と呼ばれる人間の認知特性を活用した読書法です。人間の脳は、すべてを同じ密度で処理するのではなく、重要な情報に資源を集中的に配分するようにできています。
スキミングのメリット① 要点を素早く把握できる
スキミングの利点は、長文や難解な内容でも要点や大まかな流れを素早く把握できることです。500ページ級の本でも、要点の把握に絞るのであれば、30分ほどで主要な主張・構成・キーワードを押さえる、といったことができます。
スキミングのメリット② 読書の配分がうまくなる
もう1つ重要なのは、読書の配分が上手くなることです。すべてを読むことに集中するより、重要な部分を見極めて読んだほうが、理解も読書速度も上がります。実際、スキミングを身につけると同じ時間でより多くのテキストに触れられるため、語彙や背景知識の蓄積が進み、読解の下地が広がります。
スキミングは誰でもできる! その理由
「飛ばし読みなんて、自分には無理かな……」
こう思った方も多いかもしれません。でも、実はあなたはすでにスキミングのエキスパートです。「飛ばす」という行為は、実はすべての人が日常的に行っている自然な認知プロセスです。私たちは無意識に、重要な情報にだけ注目し、不要な部分は軽く流すことを繰り返しています。特別なトレーニングなしに、実は毎日スキミングを実践しているのです。
スキミングは、決して特殊な能力ではなく、むしろ人間の脳が本来持っている認知的な特性を活かした読書法です。脳は情報の海から必要な部分を効率よく拾い上げるように設計されています。この自然なプロセスを意識的に活用するだけで、読書効率は飛躍的に向上します。
例えば、古代の狩猟採集時代を考えてみましょう。人間は常に限られた資源を使い、重要な情報を見逃さないように工夫していました。森を歩くとき、人は葉を1枚ずつ確認しません。視界いっぱいの緑を面として眺め、そのリズムから外れる「違和感」だけを拾います。一瞬だけサッと揺れる葉など、異状のサインに注目し、獲物や危険の在処を素早く見つけるのです。これはまさに、必要なところだけに意識を合わせて全体から拾い上げるという、スキミングの動きそのものです。
現代の読書においても、すべての単語や文章を同じ重みで処理するより、必要な部分に集中するほうが、理解度も速度も向上するのは当然のことなのです。
あなたが毎日スキミングしている場面
具体的に、どんな場面で私たちは無意識にスキミングをしているのでしょうか。例えばニュースアプリを閲覧するとき。朝の通勤時間、スマホでニュースをチェックしているとき、あなたは全部の記事を読みますか?
おそらくほとんどの人は、まず見出しと画像をザッと見渡し、興味のあるものだけを開いているはずです。これこそがスキミングです。「日銀が金利を引き上げ」という見出しに興味を持った一方で「◯◯アイドルの熱愛報道」は読み飛ばした。あるいはその逆かもしれませんね。このようにあなたは日々効率良く情報を選別しているわけです。
レストランでメニューを見るとき、どうしていますか?
日常生活の例も挙げましょう。レストランでメニューを見るときです。すべての料理の説明を細かく読むことはしませんよね。まず目を引く写真や大きく表示された料理名に注目し、自分の好みや予算に合いそうなものだけを詳しく見るはずです。「本日のオススメ」や「季節限定」に目がいき、普段頼むカレーうどんの説明は飛ばして「新メニューの鴨南蛮そば」だけを読む―これもまた完璧なスキミングです。
SNSのタイムラインをスクロールするときも同じです。気になる人の投稿、興味のあるトピック、衝撃的な画像に選択的に注意を向け、その他は高速でスクロールする。これもスキミングの一種です。私がSNSで投稿するときは「斜め読みされることを前提に書く」ことを心がけています。重要なポイントを太字にしたり、短い文で書いたり。これは読者が自然とスキミングすることを知っているからです。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋したものです)







