老朽化したコンバイン(収穫機)を調べるドン・グイニップさん
【マーシャル(米イリノイ州)】ドン・グイニップさん(74)に残された時間はそう長くはない。
5代目の農家であるグイニップさんは今でも毎朝早くに起床し、約400ヘクタールのトウモロコシと大豆の畑と40頭の牛の世話をしている。しかし、40年にわたる過酷な労働、前立腺がんとの闘い、両股関節をチタン製インプラントに置き換える手術が、体に大きな負担を与えてきた。現在のペースで仕事を続けられるのはあと数年だろうと彼はみている。
白黒写真に収められた歴代の先人たちの視線の下、グイニップさんは4人のきょうだいを集めて農場の将来について話し合った。そして家名を冠した通りに沿って広がる土地を、グイニップ家の人間が世話しなくなる日のことを考えている。
後継者として自然な選択肢である息子と娘は、大学進学のために家を離れ、現在は企業で働いている。自身のきょうだいたちもかつて同じ決断をしていた。
「私にとっては残念なことだ」とグイニップさんは涙をこらえながら語る。「物事はそのように進んでしまったのだから、人生が与えるものを受け入れなければならない」
米国の農家の数は長年減少を続けてきたが、コストの上昇と商品(コモディティー)価格の低迷に伴い、より多くの家族がより速いペースで農業から撤退している。米裁判所のデータによると、2025年には315戸の農場が破産申請を行い、前年から46%増加した。
残った農家では高齢化が進んでいる。米農務省によると、75歳以上の農家は35歳未満の農家よりも多い。彼らは厳しい選択と、さらに厳しい見通しに直面している。







