ケリー・デニスさん(60)は米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツで200人のチームを仕切っていた50代半ばの頃、頭の中で細かいことを整理するのに苦労するようになった。簡単なメールを書くにも1時間かかった。「何も問題はない」。デニスさんは自分に言い聞かせたが、ついにこらえきれなくなった。数カ月にわたって取り組んでいたキャンペーンを見直すために上司と電話をしていたとき、頭が真っ白になったという。デニスさんは泣き始めた。「ごめんなさい。記憶力がおかしいんです」と上司に伝えた。その後、短期の傷病休暇に入り、軽度認知障害と診断された。軽度認知障害は認知症につながる可能性がある。彼女は母親、おじ、祖母がアルツハイマー病だったが、考えないようにして、症状が現れてからも約4年間働き続けた。