株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか?「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「ばくち」ではなく「トレーディング技術」で勝つ
チャートには、相場の変化を示す兆しが表れます。それを読み取れるかどうかで、トレードの成果は大きく変わります。
窪田さんは『株トレ』の中で、次のような週足チャートを見て、この局面を「買い」と判断しています。
では、何を根拠に「買い」と言えるのでしょうか。注目すべきは、2つの変化です。
週足チャート
①売買高の急増――相場の空気が変わった瞬間
まず注目すべきは、売買高の急増です。
このチャートでは、売買高が一気に増え、同時に「下ヒゲを伴う長い陽線」が出ています。
これは、いったん売られた後に、それ以上に強い買いが入り、最終的に高値で引けたことを意味します。
それまで静かだった銘柄に、大量の資金が流れ込み、株価も短期間で急騰しています。
つまり、「多くの投資家が一斉に買いに来ている」状態です。
市場参加者が好材料をつかみ、この銘柄への評価が引き上げられたのかもしれません。上昇トレンドが生まれた可能性が高い局面です。
②上値抵抗線の突破――“節”を抜けた意味
もう1つのポイントは、上値抵抗線の突破です。
このチャートでは、過去に2度跳ね返された590円付近の価格帯を上抜けています。
上値抵抗線とは、多くの投資家が意識し、立ち止まる価格帯のことです。特に含み損を抱えていて「買い値に戻ったら売ろう」と考える投資家が多ければ、戻り売りの圧力が強くなります。
しかし今回は、売買高を伴ってこの水準を突破しています。これは大きな意味を持ちます。
買い値を超え、含み益に転じると、人の心理は変わります。「もう少し持ってみよう」と売り圧力が弱まり、上昇の加速が期待できます。
1ヵ月後の週足チャート
このチャートでは、「売買高の急増という勢い」「上値抵抗線突破という転換」が一気に起きています。
だからこそ、ここから上昇が加速する可能性がある。それが「買い」と判断できる理由です。
株で資産を増やす人は、感覚ではなく、根拠で動きます。売買高はどうか。チャートの節を抜けたか。そういった確認を積み重ねることで、トレードは運任せではなく、再現性のある技術へと変わります。



