あなただけが感じていることではない。この市場は奇妙だ。株価はまるで本格的な危機が起きているかのように大きく変動しているのに、S&P500種指数は史上最高値からわずか2%低い水準にある。動きの大きさを測る一つの方法は、セクターに注目することだ。過去6週間のパフォーマンス上位3セクターと下位3セクターの差はめったに見られないほど大きくなっている。これは、ある種のパニック状態にあるときに起きる現象だ。少なくとも1990年代半ばまでさかのぼったデータでは、セクター間にこれほど大きな乖離(かいり)が生じているにもかかわらず指数が非常に安定しているのは、極めて異例である。セクター間の乖離が前回これほど大きくなったのは、シリコンバレー銀行の破綻が世界的な銀行パニックを引き起こし、連邦当局による支援措置が発動される直前だった。その前は、新型コロナウイルス流行に伴う最初のロックダウン(都市封鎖)中に付けた安値からの反発局面だった。さらにその前は、2008~09年の世界金融危機の最中だった(それ以前にはドットコム・バブルとその崩壊の時期で、より大きなセクター間変動が相次いだ)。