対中関係の再構築、ドイツが示す難しさPhoto:Michael Kappeler/gettyimages

【ベルリン】自国の安全保障を米国に、成長を中国に長らく依存してきたドイツが、独自の道を示そうとしている。しかし、ドイツの新たな指導者による訪中と近く予定されている訪米はリスクが高く、その過程が容易でもなく、短期間で成し遂げられるものでもないことを示している。

 今回の訪問は、多くのミドルパワー(中堅国)が直面するジレンマを浮き彫りにしている。それらの国は、互いに競い合っている大国への 依存度を下げ つつも、短期的には防衛体制の弱みを露呈したり、経済に打撃を与えたりしないことを目指している。

 ドイツが米国の保護に頼れるかは、ドナルド・トランプ米大統領による同盟国批判を受けて疑問視されている。そして、中国による重商主義政策の追求は、ドイツ経済に対する深刻な脅威として浮上している。ドイツ経済は長年、中国の爆発的成長に便乗してきた。

 25日に初めて北京を訪問したフリードリヒ・メルツ独首相は長年の中国懐疑論者であり、自国にとって最大の貿易相手国である中国との関係で新たな方向性を示そうとしている。ドイツ当局者によれば、メルツ氏は1週間足らずのうちにワシントンも訪問し、トランプ氏の厳しい通商政策を受けた米欧間の今後の通商関係を明確にすることを目指すという。

 複数のドイツ当局者は、メルツ氏が今週、新たな2本立てアプローチの概略を示すだろうと述べた。

 メルツ氏は重要な関係を維持するため、公の場で何かを求めたり、批判したりして、中国の習近平国家主席やトランプ氏と対立することは避けるだろう。ドイツ国内では軍事部門への投資をさらに増やすほか、重要なサプライチェーン(供給網)が一つの国に依存し過ぎないようにするため、それに代わる貿易相手国を世界中から集める計画だ。

 メルツ氏は北京で習氏に対し、「われわれは2国間の包括的戦略パートナーシップの深化と発展を望んでいる」とし、貿易に関しては「話す必要がある問題と、話す必要がある課題がある」と述べた。