「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」……。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。

【専門家が警告!】「うちの子、言葉にするのが苦手…」を放置すると起きる7つの深刻な問題Photo: Adobe Stock

「言語化力」は、多くの力の土台となる

「うちの子、思っていることをうまく言えなくて……」。

 そう感じながらも、「性格だから仕方ない」「そのうち話せるようになるだろう」と様子を見ていませんか。もしかしたら、それは少し怖いことかもしれません。

 言語化力は、単に言葉にする力ではなく、思考や感情、学力、人間関係、自己肯定感などを支える土台そのもの。
 言葉にできないと、「物事を考えられない」「感情を捉えられない」「人に伝えられない」「勉強でつまずく」など問題が生じやすくなります。

 だからこそ、放置してはいけないのです。

 では、子どもたちには、具体的にどんな影響があるのでしょうか。
 以下は、子どもの低い言語化力を放置してはいけない7つの理由です。

低い言語化力が引き起こす7つのリスク

①思考が浅くなる
言葉は思考の道具です。語彙が乏しいと、考えられる範囲も狭くなります。「なんとなく」で止まり、深く考える力が育ちにくくなります。

②感情を扱えなくなる
怒り、不安、悔しさなどの感情を言葉にできないと、癇癪や無気力として表れやすくなります。言語化は感情を整える“ハンドル”のようなものです。

③自己理解と主体性が育ちにくい
「自分はどう思うか」を言えない子は、選択が他人任せになりがちです。自己理解が浅いと、自信も安定しません

④SOSを出せない(誤解も起きやすい)
困っていても「助けて」と言えない。沈黙が続けば、「やる気がない」と誤解されることもあります。安全や信頼にも関わる問題です。

⑤学力の土台が弱くなる
読解力、記述力、論理的思考力の根底にあるのが言語化力。設問の意図を読み解けず、文章題への苦手意識も強まりやすくなります。

⑥人間関係を築きにくい
気持ちや意図を伝えられないと、自分の気持ちが伝えられません。また、相手にかける言葉もずれがちで、すれ違いや誤解が増えやすくなります。

⑦自己成長が遅くなる
成長には「振り返り」が欠かせません。何がよかったのか、どこを改善すべきかを言葉にできなければ経験が学びに変わりません

 言語化力は、単なるアウトプットスキルではありません。
 人生の基盤であり、自信の源泉であり、可能性の扉です。言語化力を育てることは、思考や感情、学力、コミュニケーション力を、同時に育てることにほかなりません。

 子どもが「いまの自分」を言葉で捉え、自信をもって選択し、判断し、行動できるようになる。その積み重ねによって、未来の選択肢は一気に広がっていきます。

 拙著『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』では、親御さんやお友達と遊ぶだけで「言語化力」が身につくゲームを多数紹介しています。

 *本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。