幸福度に最も影響を与える要素
トップは「家族・家庭」、次いで…

 “幸せの理由”として一番多く選ばれたのは、「家族・家庭」であることがわかった。次いで「健康」、そして、「友人・知人」と続いている。

 一方、「収入・財産」はマイナスの影響を示した。収入面で満足していても、必ずしも幸福度の高さに直結しない傾向が見られる。

 田中社長は、「これまでお金が幸福の象徴とされてきたが、価値観が変化している可能性がある。近年は、地方移住や自然志向など、自分らしい暮らしを求める動きも続いている」と指摘。

 今回は、「家族・家庭」「友人・知人」といった幸福の土台を挙げる人の割合自体が減少した。幸福度の低下は、経済要因ではなく、社会全体の空気感や将来への不安感を映し出していると考えられるだろう。

「幸福モデル」は揺らいでいるのか
ランキングの増減だけでは読み取れない

 また、20代では「恋愛」の影響が強く、40代では「仕事・学業」、50代では「趣味・娯楽」の影響が相対的に強いといった特徴も見られる。ただし今年は、ほぼすべての年代・属性で幸福度が低下しており、特定の層だけに見られる単純な構図ではなかった。

「ここまで一斉に下がるのは珍しい。社会的な要因が働いているのは確かだろう」(田中社長)

 幸福度の低下は、生活満足度、愛着度、定住意欲度などの指標にも連動し、地域の持続性指標も軒並み低下している。

 住民が日常の中で「幸せだ」と感じられる環境を、どのように維持し、立て直すのか――。今回の幸福度ランキングは、数字の上下以上に、日本社会が直面する課題を映し出す結果となった。

 私たちは今、何をもって「幸せ」としているのか。改めて考えてみたい。

(フリーライター 西嶋治美)