家族もまた「個別の人間関係」に過ぎない

私たちは「家族」という枠組みで物事を捉えがちですが、親も、子どもも、パートナーも、きょうだいも、それぞれが異なる個性を持った独立した人間です。家族だからといって、自分の背景や所有物の一部になるわけではありません。

つまり、家族関係の基本は「個人の人間関係」です。果たすべき義務がある場面は別として、基本的には友人など他の人間関係を築く時と同じように考えて良いのです。「血がつながっている」という事実以上の特別な意味を、無理に見出す必要はありません。

「こうあるべき」という呪縛を解く

「親なのに」「子なのに」「きょうだいなのに」といった言葉は、自らを縛る呪縛でしかありません。そして、その呪縛は自分自身でかけている場合がほとんどです。他人は他人の家族のことなど、見ても聞いてもいませんし、深く干渉してくる人がいれば、それはただの暇人に過ぎません。

気にする必要はないのです。自分の中に理想の家族像を持つこと自体は自由ですが、それが原因で苦しんでいるのだとしたら、その理想像は一度手放してみることをおすすめします。

自分が快適な距離感が
相手にとっても心地よい

家族であっても、「この人とはこのくらいの距離感」というように、相手によって自分なりの距離の取り方を見つけて構いません。あなたが快適でいられる距離感こそが、結果的に相手にとっても快適な距離感となります。

家族と距離を置きたいと感じることは決して悪いことではなく、冷たい人間だからでもありません。本当に冷たい人は、そもそもこのようなことで悩んだりはしないからです。だから、大丈夫です。今のままで何も間違っていません。

家族という関係は、「いつまでも家族である」という点において他の人間関係とは少し異なります。しかし、無理に関わらなければ無関係に近い状態にもなりますし、時期によって関係性が変わっていくのも自然なことです。今は関わるのが辛いと思えば離れ、また近づきたくなったら近づけばいいのです。

肩の力を抜き、必要以上に考え詰めないこと。まずは自分自身の心を守り、快適でいることを最優先に考えてみてください。それが結果的に、周りの人たちを大切にすることにもつながっていくはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。