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日立製作所は事業構造の変革に成功し、2026年3月期には過去最高益を更新した。財務体質も健全で、一見絶好調に思える。ところが、決算資料をつぶさに分析すると、豊富な資金を投資に回せておらず、株式市場からの期待に十分には応えられていない実態が明らかになった。特集『エネルギー危機、インフレ、人手不足で明暗!通期決算「勝ち組&負け組」【2026春】』の本稿では、日立の“カネ余り”の実態を解明し、急成長中に見える同社の死角を検証する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
業績絶好調でキャッシュリッチの日立
DEレシオは超低空飛行で「無借金経営」に
日立製作所の快進撃が止まらない。事業の「選択と集中」が功を奏した同社の業績は右肩上がりだ。
2026年3月期の連結決算では、売上高が前期比8.2%増の10兆5867億円、純利益は前期比30.3%増の8023億円で過去最高を更新した。
過去最高益をたたき出したことで、日立はかつてないほどのキャッシュリッチを謳歌している。コアフリーキャッシュフロー(フリーキャッシュフローからM&Aや資産売却などの一時的な資金の出入りを除いたもの)は過去最高の1兆1702億円だ。
財務体質も健全で、25年度末のDEレシオ(負債資本倍率)は前期比0.05ポイント減の0.15倍にまで低下している。その上、25年度末の現金及び現金同等物は1兆3234億円、有利子負債は1兆90億円で現預金が有利子負債を上回っており、事実上の「無借金経営」の状態にある。
このように、日立の25年度決算には何一つ不安要素がなく、一見絶好調に思える。ところが、決算資料をつぶさに分析すると、今後の成長に影を落としかねない不安要素が浮かび上がってくる。次ページの図で見るように、日立ではここ数年で大型M&Aが行われなくなったために“カネ余り”が進み、稼ぎ方の効率の悪さが課題になっているのだ。
好業績が続く日立は、果たして株式市場からの期待に応えられているのだろうか。
次ページでは、日立の“カネ余り”の実態を解明し、急成長中に見える同社の死角を検証する。







