◆【大逆転】エリートと泥臭い人の決定的な違い…どん底だった江戸川乱歩が成功したワケ
眠れなくなるほど面白い文豪42人の生き様。芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、川端康成、三島由紀夫、与謝野晶子……誰もが知る文豪だけど、その作品を教科書以外で読んだことがある人は、少ないかもしれない。そんな人に向けて、文芸評論に人生を捧げてきた「文豪」のスペシャリストが贈る、文芸作品が一気に身近になる書『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)。ヘンで、エロくて、ダメだから、奥深い“やたら刺激的な文豪たちの知られざる生き様”を大公開!
イラスト:塩井浩平
生涯46回引っ越し
寮を抜け出して停学になったことも
「書斎派の文豪」という
ステレオタイプを覆す異色の経歴
江戸川乱歩という人物は、「文豪」と聞いてパッとイメージするような、子どものころからじっと本ばかり読んできて……というタイプとは大きく違っています。
結果的に、業種を問わずたくさんの職に就き、住む場所もたくさん変えてきたことは、のちに作家になって、多くの発想のもとになったことでしょう。
挫折とどん底の経験が研ぎ澄ませた
「人間の深淵」を見抜く眼
貧乏生活や事業の失敗、放浪や転職などといったことは、常識的にはいかにもネガティブな印象を持たれるかもしれません。しかし、そうした非常識的な経験があってこそ、乱歩は人間が根源的に持つ欲望などを見極めることができたともいえますし、乱歩の小説に独特の力強さが宿ったのではないかと推測できます。
【解説】回り道や挫折こそが
「独自の強み」を育む
ビジネスの現場において、私たちはつい「最短距離での成功」や「一貫した美しいキャリア」を求めてしまいがちです。しかし、乱歩の生涯が教えてくれるのは、一見すると無駄に思える回り道や挫折の経験こそが、他者には真似できない「独自の強み」を形成するということです。
転職を繰り返したことや事業での失敗は、決してキャリアの汚点ではなく、多様な価値観に触れ、視野を広げるための貴重なフィールドワークだったと言えるでしょう。
現場のリアルな体験が
「本質を見抜く眼」を養う
乱歩が人間の深い欲望や心理をリアルに描き出せたのは、書斎にこもって本から知識を得ただけではなく、自らが泥臭い現実社会の荒波に揉まれたからです。現代のビジネスパーソンにとっても、これは大きな学びになります。
データや机上の空論だけでなく、現場での苦労、人間関係の軋轢、あるいは失敗体験といった生々しい「一次情報」に直接触れることが、顧客の真のニーズやビジネスの本質を見抜く眼を養うのです。
「ネガティブな経験」を
価値に反転させる思考法
重要なのは、過去のネガティブな出来事を単なる「失敗」として終わらせず、それをいかに自分の血肉とし、新たな価値創造へと繋げるかという思考の転換です。もし今、あなたが仕事で行き詰まりを感じていたり、思い描いたキャリアから外れて焦りを感じていたりするならば、乱歩の生き方を思い出してください。
その苦境や遠回りこそが、将来のあなたにしか生み出せない「独特の力強さ」を持った成果へと繋がる、かけがえのない伏線になるはずです。
※本稿は、『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。







