――新築ではどのようなことを?

的場 「コーポラティブヴィレッジ」の企画施工を手がけています。複数の新築戸建てを建てられる土地を当社で取得し、住みたい方を複数集めて、皆でアイデアを出し合いながら、理想の家や街をつくるのです。リノベーションも新築も、その土地の気候や風土、歴史、文化などを踏まえて、その土地をリスペクトした建物をつくるのが、私たちのモットーです。

 そして、今最も力を入れているのは「旗竿地の家」です。旗竿地とは道路に接する細長い通路の奥にある土地で、使い勝手が悪いとされていますが、それを逆手に取り、敷地の四方を高さ5mの壁で囲んだ住宅をご提案しています。

「旗竿地の家」に「仕立てる賃貸」100年後の街をつくる住宅サービスを展開「旗竿地の家」。高さ5mの壁で四方を囲っているのに明るく、都市部でもプライバシーを保てる

――壁で囲むと、暗くはないのですか?

的場 庭が大きな天窓のような役割を担うため、驚くほど明るい室内を実現しました。さらに都市の真ん中にあってもプライバシーが保たれ、中庭のあるのびのびとした暮らしが送れます。壁のおかげで、隣接する家もプライバシーが保たれる効果もあります。狭い街のノイズを減らせるので日本にはすごく合っていると思います。

――サービスが実に独創的ですね。

的場 他社と違うことをするのは強く意識しています。例えばマンションの大規模修繕も請け負うのですが、従来は足場を建てて建物調査を行っていたため人も時間も必要で、必然的にコストがかかりました。そして「せっかく足場を建てたなら全部丸っと修繕工事を」となるパターンが散見されました。そのため当社ではドローンやロープアクセスを使った建物調査を行い、足場を使わず必要最小限の工事を行う中規模修繕を行っています。

 人と違うことをすることの大切さは、新卒採用の会社説明会や大学での寄付講座などでもよく話しています。それで興味を持ってもらえるのか、10年以上にわたって新卒社員を採用できています。

――採用難の時代とは思えない実績です。

的場 ちなみに大学の寄付講座の話を持ってきてくださったのは川崎信用金庫さんです。川崎信金さんとは創業当時から取引があり、新築住宅やマンションの大規模修繕のローンを検討しているお客さまをご紹介することもあります。信金さんは地域のためになることを頑張ってくださるので、頼りになりますね。

――今後の抱負をお聞かせください。

的場 「私たちは企業活動を通じて『世のため人のため』に貢献します」という企業理念を掲げています。人のためというのはお客さまだけでなく従業員も含まれています。今私が最も楽しみなのは従業員が成長する姿を見ること。彼らを大事にして、成長を後押ししていけば、「100年後の街つくり」も実現できると考えています。

(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2026年4月号掲載)

事業内容:地域や建物のプロデュース、不動産仲介・管理、建築・断熱・耐火被覆・塗装などの工事、PORTER’S PAINTSの日本総代理店など
従業員数:47人
売上高:19億4343万円(2025年5月期)https://nengo.jp/
所在地:神奈川県川崎市高津区溝口2‐15‐1
電話:044‐829‐3324
URL:nengo.jp