草むらに座る小学生の後ろ姿写真はイメージです Photo:PIXTA

かつて特別支援学級は、障害のある子どもが少人数で学ぶための場だった。しかし現在は、クラスで「はみ出してしまった子」の受け皿になっているという。その結果、本当にサポートを必要とする子どもに十分な支援が行き届かない事態が起きている。「学級崩壊立て直し請負人」として数々の教育現場を見てきた筆者が、安易な特別支援学級への転籍に警鐘を鳴らす。※本稿は、教育実践研究家の菊池省三『足型をはめられた子どもたち』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

授業についていけないせいで
暴力に走ってしまう小3男児

 東京と隣接する千葉県の一帯に東葛という地域があります。そのうちの柏市、野田市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市の5市で、私は近年1年のうち40日ほど活動しています。現地の教員の拠出金により運営されている教育会館の要請で、集中的にこの地域で飛び込み授業をさせていただいているのです。

 東葛は、2005年から首都圏と結ぶ新たな鉄道の開発により、日本でも数少ない人口増加がみられる地域です。また、この新興住宅街と従来の住宅地では大きく表情が違う地域でもあります。古くからの市街地には、東大合格者を複数輩出する有名公立高校もあります。

 さて、私がこの地域で印象的だった出来事は、市街地から少し離れた住宅地に近い小学校に行ったときのことです。

 そこの3年生に清水くん(仮名)という男の子がいました。容姿端麗で、将来はモテるだろうなとも感じさせます。教室で暴力を振るっている子だと聞きました。学力が少し落ちるから、教室でみんながやっていることに加われないことが多い。そこで周囲にちょっかいを出しはじめ、鉛筆やシャーペンで強く突く、といった具合にエスカレートして怪我人も出ていたといいます。