◆分厚くなった血管をしなやかに戻す、最強の認知症予防ルール
『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した専門医が、科学的根拠に基づいて「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】の習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てるノウハウを紹介する。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が教える】「醤油をドバっとかける」人が無意識にやっている…脳の血管をカチカチにするNG習慣Photo: Adobe Stock

血管の「健気な防衛反応」がもの忘れを引き起こす?

「最近、人の名前がパッと出てこない」「将来の認知症が不安」……そんなお悩みを抱えていませんか? 実は、その脳の不調は、頭の中ではなく「血管」のSOSから始まっているのかもしれません。

なぜ私たちの血管、特に「動脈」が危機にさらされているのでしょうか? 血管ネットワークの原動力は、いわずと知れた「心臓」です。このタフなポンプは、私たちが生きている限り、一瞬たりとも休むことなく血液を全身に送り出し続けます。

心臓から押し出される血流の強烈な「圧力」を真正面から受け止めるのが、動脈の役割なのです(ちなみに、静脈は全身を巡った血液を心臓へ戻す帰路であり、毛細血管は動脈と静脈をつなぎ、細胞の隅々に酸素と栄養を届ける終着点です)。

問題は、血圧が高い状態(高血圧)が続くことにあります。高い圧力を受け続けた動脈は、その力に耐えようと必死に抵抗します。その結果、動脈の壁は徐々に分厚く、硬くなっていくのです。しかし、この健気な防衛反応こそが、悲劇のはじまりとなってしまいます。

動脈の硬化が「脳の栄養不足」を招く

この悲劇、つまり「動脈硬化」は、記憶を司る脳に静かなダメージを与え続けます。動脈の壁が分厚く硬くなると、血液の通り道が狭くなり、血流が悪化します。脳の神経細胞に十分な酸素や栄養が届かず、慢性的な栄養不足に陥ってしまうのです。

これが、年齢を重ねるとともに増える「もの忘れ」や、将来的な認知機能低下の大きな引き金になります。高い血圧を放置することは、自ら脳の働きを弱めてしまうことと同じなのです。

血管をしなやかに保つ!
今日からの防衛ノウハウ

大切な記憶を守るためには、動脈が必死に抵抗しなくても済むように、日々の生活で血管への負担(血圧)を減らしてあげることが重要です。

「かける」より「つける」で無理なく減塩:塩分の摂りすぎは血圧を上げる最大の原因です。お醤油は直接かけるのではなく、小皿に出してほんの少し「つける」ようにするだけでも立派な減塩になります。

血管を広げる「軽い有酸素運動」:1日20分程度の速歩や軽い体操を行うと、血流が良くなり、血管をしなやかに保つ物質が分泌されやすくなります。

心臓を休ませる「良質な睡眠」:睡眠不足は交感神経を刺激し、血圧を高く保ってしまいます。就寝1時間前にはスマホやテレビを消し、タフなポンプである心臓をしっかり休ませましょう。

血管をいたわることは、あなたの脳を守ることに直結しています。できることから少しずつ、血管に優しい生活を始めてみませんか?

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。