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ホーリー・ゴーバンさんは海外生活という冒険に胸を躍らせてニューヨークを出発した。向かった先は、約5000キロ離れた英スコットランドの石畳の町にあるセント・アンドリューズ大学だ。
ところがニューヨークのアッパー・イーストサイドからやって来たゴーバンさんのルームメイトは、同じニューヨークのロウアー・マンハッタン出身の学生だった。
「実際、どこに行っても聞こえてくるのは米国英語ばかり」とゴーバンさんは言う。「スコットランドならではの国際的な経験を求めてここに来たはずなのに、米国人が多すぎる」
絵のように美しいキャンパスを持つセント・アンドリューズ大学は、かつては米東海岸の富裕層が通う私立高校の生徒たちの「知る人ぞ知る進学先」だった。しかし、今では全学生の約2割が米国人だ。英高等教育統計局(HESA)によると、セント・アンドリューズ大は昨年、2200人を超える米国人学生が在籍し、オックスフォード大学を抜いて「英国で最も米国人学生が多い大学」になった。
セント・アンドリューズ大にやって来るのは、600年の歴史を持つキャンパスで英国のウィリアム皇太子とのちにその妻となるケイト・ミドルトン氏と同じように学びたい王室ファンだけではない。過酷な競争と高騰し続ける学費に疲弊した米国の受験生たちも、海外に目を向けている。英国で上位5校に入る4年制のセント・アンドリューズ大はそうした学生の第一志望に挙がることも多い。実際、2025年に同大への米国人出願者数は前年比で16.4%も増加した。
比較的分かりやすい入学許可プロセスも一役買っている。入学事務局長のジュリー・ラムゼー氏は「学業のみ」が評価対象になると話した。
米国人向けの入学要件によると、セント・アンドリューズ大学は上級クラスでAかBの成績、またはAP(大学レベルのコース)3科目で4の評価を求めている。入学事務局の米国地域マネジャー、サラ・スミス氏は「本学の評価は米国の大学ほど総合的ではない」と話した。
これは、成績が完璧でテストの点も高く、課外活動の実績も申し分ないのに、「アイビーリーグ」と呼ばれる米東部の名門私立大学を含む一流大学に不合格にされることもある米国の学生にとっては安心材料だ。








