英国の高等教育専門誌の世界大学ランキング2025年版で、9年連続で世界1位となった英オックスフォード大学英国の高等教育専門誌の世界大学ランキング2025年版で、9年連続で世界1位となった英オックスフォード大学 Photo:CHUNYIP WONG/gettyimages

ドナルド・トランプ米大統領が米国の大学での外国人受け入れに厳しい姿勢を示し、欧州は米国から流出する優秀な人材を確保しようと動いている。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは英米の大学比較。黒田氏が実体験した英オックスフォード大と米コロンビア大の違いとは?

オックスフォード大に留学し
コロンビア大で教えた実体験

「米国第一」を掲げるドナルド・トランプ米大統領は、米国の大学への留学生のビザ厳格化など外国人の受け入れに厳しい姿勢を取る。一方、欧州は研究者への助成金創設など、米国から流出する優秀な人材の確保を狙っている。

 私はたまたま、1969~71年に英オックスフォード大学大学院に留学し、2024年に米コロンビア大学大学院で客員教授を務めた。その経験から、英米の大学の比較をしてみたい。

 英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」の世界大学ランキング(25年版)では、オックスフォード大が世界一で、コロンビア大は18位である。もとより、それぞれの国に多様な大学があるので、一例にすぎないが、両大学とも、文系の大学院としては代表的な大学なので、それなりの意義はあるだろう。

 ただ、私がオックスフォード大に留学した時期は半世紀ほど離れているので、そのことは考慮する必要があろう。